データドリブンな経営が主流になってきたことで、定量的な判断が可能になった反面、社内で扱うデータが増え、管理が難しくなってきている企業が増えています。そこで注目されているのが、社内データを一元管理できるERPシステムです。しかし、「どのERPシステムを選べばいいか分からない」という人も多いでしょう。
当記事ではおすすめのERPシステムを紹介します。ERPシステムの選び方や導入メリット、注意点なども解説しているので、当記事を読めば自社に合ったERPシステムを選べるようになります。ERPシステムの導入を検討している方はぜひご覧ください。
ERPシステムおすすめ4選を比較
ERPシステムのおすすめを4つ紹介します。それぞれの製品の特徴は以下の通りです。
おすすめのERPシステム | 特徴 |
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MA-EYES | カスタマイズの柔軟性が特徴 |
マネーフォワード クラウドERP | 自社製品との連携が強み |
multibook | 海外拠点を持つ企業に特化 |
SmileWorks | 中規模企業向けに強み |
それぞれ異なる強みを持っているので、自社に合ったものを選びましょう。
MA-EYES
料金プラン | 要問い合わせ |
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機能 | プロジェクト管理 経理処理 マスタ管理 システム管理勤怠管理など |
タイプ | 統合型クラウトERPシステム |
導入実績 | 楽天グループ株式会社 株式会社ドワンゴ 株式会社京王ITソリューションズなど |
電話番号 | 03-5422-6313 |
会社所在地 | 〒141-0022 東京都品川区東五反田2-10-2 東五反田スクエア5階 |
MA-EYESはシステムの自由度の高さが特徴の統合型クラウドERPシステムです。プロジェクト管理向けと広告業向けの2つのタイプを提供しており、自社に合ったサービスを選択できます。また、事業規模ごとにプランも分かれているため、自社の規模に合わせて導入が可能です。
機能面では独自設定が可能な分析機能が特徴で、あらかじめ分析したい項目を選択しておけばレポート形式で出力できます。画面や帳票の自由度も高く、担当者の見やすいようにカスタマイズできるのもポイントです。さらに、パラメータの設定だけで導入が可能なのも強みで、導入にかかる期間の短縮を実現しています。
操作性もWindowsに近いため、Windowsユーザーであればすぐに扱えることも大きなメリットといえるでしょう。無料トライアルもあるので、実際の操作感を確かめてから導入したい企業にもおすすめのERPシステムです。
マネーフォワード クラウドERP
料金プラン | 要問い合わせ |
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機能 | 要問い合わせ |
タイプ | コンポーネント型クラウドERPシステム |
導入実績 | ランサーズ株式会社 株式会社ゼネラルリンク 株式会社FOR YOUなど |
電話番号 | 03-6453-9160 |
会社所在地 | 〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21F |
マネーフォワード クラウドERPはさまざまなバックオフィスツールを提供する株式会社マネーフォワードが提供するERPシステムです。コンポーネント型を採用しており、自社に必要な機能を選択して導入できます。クラウド型なのでインターネット環境があればどこでも利用できるのも特徴で、リモートワークをしている従業員でもシステムにアクセスすることが可能です。
機能面ではマネーフォワードの各システムと連携が可能なのが強みで、すでにマネーフォワードのサービスを利用している企業であれば、業務フローを大きく変更することなく導入できます。他にも他社システムや金融システムとの連携も可能です。
アクセス管理機能やログ管理機能も備えており、内部統制を効果的に強化できることもポイントといえるでしょう。サポート体制も充実しているので、社内に専門知識を持つ人材がいない企業にもおすすめです。
multibook
料金プラン | 要問い合わせ |
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機能 | 会計伝票入力機能 証憑添付機能 在庫数量残高照会機能 固定資産管理機能など |
タイプ | 業界特化型クラウドERPシステム |
導入実績 | エクシオグループ株式会社 株式会社Food Innovators Japan 鴻池運輸株式会社など |
電話番号 | – |
会社所在地 | 〒141-0031 東京都品川区西五反田1-1-8 NMF五反田駅前ビル5階 |
multibookは海外拠点を持つ企業に特化したERPシステムです。特に会計処理業務に特化しており、導入することで海外拠点の経営状況をリアルタイムで管理できます。12ヶ国の言語と世界各国すべての通貨に対応しているため、海外拠点でも安心して導入することが可能です。
また、タイやフィリピン、ヨーロッパなどの固有要件に対応しているため、別途設定を行う必要もありません。権限設定やパスワード有効期限管理機能なども導入されているので、日本と勝手が異なる海外でも効果的に内部統制を強化できます。
導入に要する期間も最短2週間と短く、導入作業もリモートで実施するため、スピーディーに運用を開始できるのもポイントです。特に本社で基幹となるERPシステムを導入しており、海外拠点で別途ERPシステムを導入したい企業におすすめのERPシステムとなっています。
SmileWorks
料金プラン | 初期費用 30,000 円~ 月額費用 10,000 円~ |
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機能 | 販売管理機能 財務会計機能 給与計算機能など |
タイプ | 統合型クラウドERPシステム |
導入実績 | 株式会社笑顔創造 エス・エー・エス株式会社 小田公認会計士税理士事務所など |
電話番号 | 03-5620-9710 |
会社所在地 | 〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-8-16 平田ビル7階 |
SmileWorksは、株式会社スマイルワークスはの提供する、販売管理・仕入管理・在庫管理・入出金管理、経費精算、給与計算、財務会計など、企業のバックオフィス業務を全て統合して、自動会計仕訳や資金繰り表の自動作成を実現するクラウド型ERPシステムです。
特に中規模企業に適したERPであり、販売管理や在庫管理などがExcelや別システムなどに散在している中規模企業が事業の伸びに合わせて検討する際の第一候補となるサービスと言えます。
失敗しないERPシステムの選び方
ERPシステムを選ぶ際には、以下の点に注目しましょう。
- 自社の規模・業務に合っているか
- 操作性が優れているか
- カスタマイズしやすいか
- サポート体制が充実しているか
- グローバルな対応ができるか
- 特定の業種に特化した機能があるか
- 予算の範囲内で導入できるか
- セキュリティ機能が充実しているか
- 直接販売か間接販売か
それぞれ詳しく解説します。
自社の規模・業務に合っているか
まずは検討しているERPシステムが自社の規模に合っているかを確認しましょう。例えば大企業であれば、カスタマイズ性やセキュリティ強度が高いオンプレミス型で、広範囲をカバーしている統合型のERPシステムが向いています。
一方で、中小企業の場合は管理コストを抑えられるクラウド型で、必要な機能を取捨選択して追加できるコンポーネント型のERPシステムが向いていることが多いです。コンポーネント型のサービスであれば、最初に必要な業務に対してのみ導入し、将来的にコンポーネントを追加して導入範囲を広げることもできます。
操作性が優れているか
続いては操作性が優れているかを確認しましょう。ERPシステムを導入すれば社内のデータを一元管理する都合上、扱うデータ量が膨大になります。そのため操作性の悪いサービスを導入してしまうと、データの入力や抽出に時間がかかりかねません。
一方で、操作性が高くデータを視認しやすいサービスを導入すれば、データの入力や抽出にかかる時間を削減できます。特に検索機能が搭載されており、検索機能の性能に影響を及ぼさない範囲で入力項目がシンプルなものを選べば、円滑に業務を行うことが可能です。
カスタマイズしやすいか
ERPシステムを導入する際は、システムのカスタマイズ性にも注目しましょう。特に業界特化型のERPシステムを導入しなかった場合は、自社の業界の商習慣やルールに合わせて、システムのカスタマイズが必要になることも少なくありません。
また、事業が成長してきたタイミングで機能の追加などが必要になることも多いです。ERPシステムを導入する際は、カスタマイズの柔軟性に着目し、自社の状況に合わせてシステムを変化させられるか確認しましょう。
サポート体制が充実しているか
サポート体制の充実度も、ERPシステムを選ぶ際の重要なポイントです。ERPシステムの導入では導入前の計画から導入後の運用まで、膨大な数多くの工程をこなす必要があります。そのため、各工程でトラブルが発生するリスクを考慮しなければいけません。
特に各部署で管理しているデータをERPシステムに移行する際には、データの紛失や不整合などのトラブルが発生しがちです。サポート体制が万全なサービスを選べば、各工程で専門家の支援を受けることができるので、トラブルにも適切に対応できます。ERPシステムを検討する際には、サポートの内容をよく確認しておきましょう。
グローバル対応しているか
グローバル展開をしている企業の場合は、導入を検討しているERPシステムが多言語対応や他通貨対応をしているかを確認しましょう。多言語対応しているERPシステムを導入すれば、海外拠点にいる地元の従業員でも母国語でシステムを扱えます。
また、海外企業と取引がある場合は、日本円以外の通貨への対応が必須となります。特に為替レートをリアルタイムで反映できるサービスを導入すれば、手動でのレート換算の必要がなくなるため、より効率的に業務を行うことが可能です。
特定の業種に特化した機能があるか
ERPシステムには特定の業種に特化したものも存在します。特に業界特有の商習慣やルールがある場合は業界に特化したERPシステムを導入することで、導入時にカスタマイズなどの必要がなくなり、円滑に導入することが可能です。
例えば建築業に特化したERPシステムであれば、業界独自の会計方式である「建設業会計」にデフォルトで対応していることが多いです。一方、製造業に特化したERPシステムの場合は、主な機能として原価や部品といった単位での管理や、生産スケジューラの搭載などが挙げられます。自社の業界に合ったサービスがある場合は、優先的に検討しましょう。
予算の範囲内で導入できるか
検討しているERPシステムが予算の範囲内で導入できるかも、確認すべきポイントです。ERPシステムの導入費用は、サービスによって異なります。特にオンプレミス型のERPシステムの場合は、サーバーの設置費用が発生するため、導入時に費用が割高になることが多いです。
また、コンポーネント型のERPシステムでも、機能を追加しすぎると費用が高くなり、予算を超えてしまうことがあります。加えて、双方ともに運用時にも月額料金でコストがかかることを忘れてはいけません。ERPシステムを選ぶ際には、必要な機能やサポートなどを吟味した上で、予算に合ったものを選択しましょう。
セキュリティ機能が充実しているか
ERPシステムを選ぶ際には、セキュリティ機能が充実しているかも確認しましょう。ERPシステムは社内のデータを一元管理する都合上、セキュリティ面が重要になります。特に顧客情報や人材情報などが漏洩した場合、大きなトラブルに発展しかねません。
特にクラウド型の場合、インターネットを介して利用することになる上、社外からでもアクセスできるため、セキュリティ機能が重要になります。ERPシステムを検討する際は、アクセス権限や認証機能など、第三者からの情報操作を防ぐ機能が搭載されていないかよく確認しましょう。
直接販売か間接販売か
ERPシステムを検討する際には、サービスの提供形態も確認しましょう。ERPシステムの販売方式には開発企業が販売も行っている直接販売方式と、代理店を介して販売されている間接販売方式があります。
直接販売の場合、開発会社と直接コミュニケーションが取れるため、要望を齟齬なく伝えられます。また、サポートについても開発元が行うため、質が高いことが多いです。一方、間接販売の場合は、代理店が扱う他のサービスとの連携も踏まえた提案を受けられます。ただし、サポートについては直接販売よりも質が低いおそれがあるので注意が必要です。
ERPシステムとは何
ERP(Enterprise Resource Planning)システムとは、「ヒト・モノ・カネ・情報」といった企業の根幹を支える経営資源を統合管理し、経営に有効活用するためのシステムです。具体的には以下のような管理項目を一元管理することで、経営や業務を効率化します。
- 人材管理
- 顧客管理
- 購買管理
- 販売管理
- 在庫管理
- 精算管理
- 財務会計管理
上記のような管理項目を統合管理することで、それぞれの情報をシームレスに活用することが可能です。結果的に、社内リソースの最適化や内部統制の強化につながります。
ERPシステムの種類
ERPシステムは、システムの提供方法によって以下の2種類に分けられます。
- オンプレミス型のERP
- クラウド型のERP
それぞれ強みが異なるので、製品を選ぶ前にしっかりと把握しておきましょう。
オンプレミス型のERP
オンプレミス型は、社内に専用のサーバーを設置してシステム構築を行うERPシステムです。近年普及しつつあるクラウド型と比較すると、カスタマイズ性やセキュリティ面に優れています。また、サーバーからPCに直接接続することで、オフライン環境でも利用可能です。
しかし、社内にサーバーを設置する必要があるため、サーバーの設置場所を用意しなければいけません。加えて、サーバーの設置で初期費用がかかる他、サーバーの保守・運用が必要なので、ランニングコストも高額になりがちなのがデメリットです。
クラウド型のERP
クラウド型は、サービスを提供する企業が用意したクラウドサーバーにPCを接続して利用するタイプのERPシステムです。自社内にサーバーを設置する必要がないため、社内でサーバーの保守・運用を行う必要がありません。サーバー設置費用も必要ないため、料金体系はサブスクリプション制になっていることが多いです。
また、インターネット環境があればシステムを利用できるため、リモートワークなどにも対応できます。ただし、オンプレミス型と比較するとセキュリティ面やカスタマイズ性が劣りがちです。また、通信の安定性がインターネット環境に依存するため、通信障害などに弱い点もデメリットです。
ERPシステムのタイプ
ERPシステムは前述の種類に分類した上で、さらに用途によって以下の3タイプに細分化できます。
それぞれ適した運用方法があるので、自社に合ったものを選択するのが重要になります。
統合型のERP
統合型は、一般的にERPで管理されるような業務をすべてカバーしているタイプのERPシステムです。在庫管理から販売管理、人材管理や財務会計管理まで、経営に関する一連の業務をシームレスに管理できます。加えて、各業務範囲のデータを集計して、総合的な分析を行うことも可能です。
オールインワンタイプの製品なので、特定の業務範囲を指定して導入することはできません。また、基本的には事業規模の大きい企業で利用されることが想定されているため、導入費用が割高なことが多いです。
コンポーネント型のERP
コンポーネント型はERPで管理されるような業務の中から必要な範囲を指定し、組み合わせて導入できるタイプのERPシステムです。企業ごとに必要なコンポーネントのみを導入できるため、統合型よりも費用を抑えられます。また、最初は最低限のコンポーネントだけを導入し、徐々に追加していくような使い方も可能です。
加えて、本社と支社でそれぞれ異なる範囲のERPシステムを導入し、連携させることで全体の業務を効率化させる2層ERPにも活用できます。既存システムの再構築にも活用できるなど、柔軟性が高いERPシステムです。ただし、後からコンポーネントを組み合わせていくうちに重複する機能が出てきたり、システムが複雑化しやすいというデメリットがあります。
業界特化型のERP
業界特化型はそれぞれの業界に最適化されたERPシステムです。業界特有のルールやニーズを考慮してシステム構築されているため、導入後のカスタマイズなどが必要ありません。例えば建築業に特化したERPシステムであれば、建築業界独自の会計ルールに対応できるようになっていることが多いです。
他にも製造業に特化したERPシステムの場合は、生産品の原価や部品の管理項目が細分化されているなど、それぞれの業界で使いやすくカスタマイズされています。幅広い業種を手掛ける企業にとっては汎用性が低く使いづらいことが多いですが、特定の業種に特化している企業にとっては導入する価値が高いタイプのERPシステムといえるでしょう。
ERPシステムを使うメリット
ERPシステムを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- 各部署の情報が一元管理できる
- 素早い経営判断が実現できる
- データ入力ミスが減らせる
- 各業務のパフォーマンスを最大化できる
- 効率的なセキュリティ対策ができる
- 各業務プロセスが標準化できる
- コストがカットできる
基本的には経営判断の迅速化や業務の効率化が大きなメリットといえるでしょう。それぞれ詳しく解説します。
各部署の情報を一元管理できる
ERPシステムを利用することで、各部署の情報を一元管理できます。企業内で扱う情報は、各部署で別々に管理されているのが一般的です。そのため、他部署で管理している情報が必要になった際には、毎回当該部署に問い合わせをする必要があります。
ERPシステムを導入すれば、システム上で各部署の情報を確認できるので、部署間の確認を行う必要がありません。結果的に情報が必要な従業員だけでなく、部署内のデータを管理している従業員のタスクも減らせるので、業務効率を大幅に向上させられます。
素早い経営判断を実現できる
ERPシステムは経営判断の迅速化にも活用することが可能です。経営判断をする際には、各部署のデータを収集し、定量分析する必要があります。事業規模の大きい企業の場合は、特にデータの収集に時間がかかるため、経営判断が遅くなることも少なくありません。
ERPシステムを導入すれば、各部門のデータを1つのシステムに集約できる上、リアルタイムで確認できます。また、分析機能が搭載されていることも多いため、集約したデータをシームレスに分析に回すことが可能です。結果的に経営判断が迅速化され、情勢に遅れを取らない経営が行えます。
データ入力ミスを減らせる
ヒューマンエラーを削減できることも、ERPシステムを導入するメリットです。情報を扱う上で起こりがちなミスとして、入力ミスや確認漏れが挙げられます。特に入力ミスがあった場合は、当該データを参照した情報の整合性確認も必要になるため、業務効率の低下につながりかねません。
ERPシステムを導入すれば、各部署で管理するデータの共有時などに発生する入力作業を減らせるので、ヒューマンエラーを削減できます。また、RPAやIPAといった定型業務の自動化システムと連携すれば、ヒューマンエラーが発生する原因を根本から排除することが可能です。
各業務のパフォーマンスを最大化できる
ERPシステムを利用すれば、各業務のパフォーマンスを最大化することが可能です。ERPを提供している企業は、今までの導入実績からさまざまな企業の管理体制に関するノウハウを持っています。
蓄積されたノウハウはサービスにも反映されているため、ERPシステムを導入するだけで、疑似的に成功企業の管理体制を自社に反映させることが可能です。結果、各業務工程が自然と最適化され、業務効率化や生産性の向上につながります。
効率的なセキュリティ対策ができる
ERPシステムの導入はセキュリティや内部統制の強化にもつながります。社内のデータを各部署で管理している場合、部署ごとでセキュリティの強度に差が出ることも少なくありません。また、管理が分散することによって情報漏洩や不正利用のリスクが高くなります。
ERPシステムを導入すれば、システム上で一括してセキュリティ対策を行うことが可能です。また、管理が一元化されることで情報の監視もしやすくなるため、情報漏洩や不正利用のリスクを抑えられます。
各業務プロセスを標準化できる
ERPシステムを利用することで、業務プロセスの標準化が可能です。管理業務のフローをシステムに帰属できるため、業務の属人化を予防できます。また、作業工程が均一化されるため従業員ごとの作業品質のばらつきが発生することもありません。
業務プロセスの標準化は業務の引き継ぎの際にも効果を発揮します。業務フローが固定されるため、新人でも効率良く作業することが可能です。結果的に、業務の引き継ぎも容易に行えるため、人材配置に柔軟性が生まれます。
コストがカットできる
人件費をはじめとしたコストの削減につながることも、ERPシステムを導入するメリットです。前述の通り、ERPシステムを導入することで、成功企業の管理体制を疑似的に再現できます。
結果的に業務フローが最適化されるため、業務における無駄を排除することが可能です。結果として各業務に最適な担当人数を配置できるだけでなく、業務にかかる工数を削減できるので、人件費や作業時間といったコストを抑えることが可能です。
ERPシステムを使う際の注意点
ERPシステムを利用する際には、以下の点に注意しましょう。
特に業務フローの変更によって、人材の再配置が必要になる点には注意が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
事前に現場の社員から必要な機能をヒアリングする
ERPシステムの導入は社内のすべての業務に影響するため、導入時には要件定義が難しくなりがちです。特に必要な機能の洗い出しができていない状態で導入してしまうと、想定していた運用ができないおそれがあります。
そのため、ERPシステムの導入を検討する際には、事前に各部署の管理担当者に必要な機能をヒアリングしておくことが重要です。あらかじめ必要な機能が分かっていれば、導入後のミスマッチが防げるため、円滑にシステムを運用できます。
システムを活用する社員数の管理が必要となる
ERPシステムを導入する際には、システムを管理する担当者の人数も把握しておきましょう。ERPシステムの中には、利用人数をベースに料金設定をしているものも少なくありません。利用人数で料金が変化するサービスの場合、計画的にシステムを導入しないと、想定以上に人件費がかかるおそれがあります。
ERPシステムを導入する際には、システムの運用にかかわる人数を洗い出しておきましょう。特にコンポーネント型のサービスの場合は、事業の成長に合わせてコンポーネントを追加する可能性もあるので、将来的に必要になる人員を想定しておくことが重要です。
運用・保守にかかるコストも考慮する
ERPシステムを検討する際には、運用・保守にかかるコストにも注意しましょう。特にオンプレミス型のERPシステムを導入する場合、社内に設置したサーバーの保守・運用のために人員を配置しなければいけません。
また、オンプレミス型はカスタマイズ性が柔軟なのがメリットですが、裏を返せば必要に応じて社内でカスタマイズを行う必要があるということです。システムもカスタマイズには専門的な知識やスキルが必要になるため、場合によっては新しく人材を採用する必要も出てきます。ERPシステムを利用する際には、運用・保守にもコストがかかる可能性があることを把握しておきましょう。
【まとめ】自社の規模・目的などに合うERPシステムを選ぼう
ERPシステムのおすすめや選び方、導入するメリットなどについて解説してきました。
ERPシステムを導入すれば、社内で扱うデータを一元管理することが可能です。また、ERPシステムに合わせて業務フローを構築することで、業務効率化や属人化の解消につなげられます。
ERPシステムを選ぶ際は、カスタマイズ性や自社に必要な機能を備えているかを確認しましょう。サポート体制の充実度やセキュリティ面も、長期運用する上では重要です。
当記事を参考に、ぜひ自社に合ったERPシステムを探してみてください。