【2025年6月最新】受発注管理システムのおすすめ3選を比較!選び方や活用メリットも解説

受発注や在庫管理に時間がかかり、業務効率に課題を感じている企業は少なくありません。
受発注管理システムを活用すれば、データの一元管理による業務効率化が可能な他、ヒューマンエラーの削減によって生産性の向上にもつなげられます。
しかし、数ある受発注管理システムの中から、「どれを選べば良いか分からない」という人も多いでしょう。
当記事では、おすすめの受発注管理システムや比較する際のポイントを紹介します。受発注管理システムの基本機能やタイプ、導入メリット・デメリットなどについても解説しているので、製品の選定で迷っている方はぜひご覧ください。
おすすめの受発注管理システム3選

当記事でおすすめの受発注管理システムを3つ紹介します。
おすすめの受発注管理システム | 特徴 |
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kintone(サイボウズ株式会社) | ノーコードでカスタマイズが可能 |
CO-NECT(CO-NECT株式会社) | 発注側のシステムは無料で利用できる |
BtoBプラットフォーム 受発注(株式会社インフォマート) | 5万社以上の導入実績 |
それぞれ異なる強みを持つので、導入時の参考にしてください。
kintone(サイボウズ株式会社)

初期費用 | 無料 |
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利用費用 | 月額1,000円〜 |
無料サポート | 〇 |
無料トライアル | 〇 |
運営会社 | サイボウズ株式会社 |
kintoneはノーコードで業務に必要なアプリを構築できるクラウドサービスです。受発注管理システムもアプリとして作成が可能で、社内の営業担当や製造部門から、外部の取引先を含めた情報や進捗を一元管理できます。
システム開発の知識がなくても柔軟なカスタマイズが可能なので、専門のエンジニアがいなくても現場の業務フローやニーズに合ったアプリを作成することが可能です。
受注管理システムだけでなく、顧客・案件管理やプロジェクト管理など、さまざまな用途で利用できます。受発注管理以外の業務も効率化したいと考えている場合は特におすすめのサービスです。
CO-NECT(CO-NECT株式会社)

初期費用 | 発注側:無料~ 受注側:要問い合わせ |
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利用費用 | 発注側:無料~ 受注側:要問い合わせ |
無料サポート | 〇 |
無料トライアル | 〇 |
運営会社 | CO-NECT株式会社 |
CO-NECTは39,000社以上が導入している受発注管理システムです。発注書や納品書などの書類管理や取引の進捗管理などをクラウド上で一括で行えるため、ペーパーレスで効率的な受発注管理が実現できます。
スマホやタブレットにも対応しており、現場でもすぐに確認・操作ができることから、飲食・小売業で特に人気です。APIやCSVで他システムと連携も可能なので、入力ミスや転記漏れといったヒューマンエラーも予防できます。
発注側と受注側で導入できるシステムが分かれており、料金体系もそれぞれ異なります。発注側には無料プランが用意されている他、受注側では無料トライアルが利用できるので、あらかじめ使用感を確かめてから導入したい企業でも検討しやすいでしょう。
BtoBプラットフォーム 受発注(株式会社インフォマート)

初期費用 | 要見積もり |
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利用費用 | 要見積もり |
無料サポート | あり |
無料トライアル | なし |
運営会社 | 株式会社インフォマート |
「BtoBプラットフォーム 受発注」は、株式会社インフォマートが提供する受発注管理システムです。取引先との受発注情報をクラウド型で共有でき、帳票作成から納品処理までを効率的に進められます。
ERPや基幹システムとの連携にも対応しており、自社の社内システムと統合することで、データの二重入力や転記作業を削減することが可能です。
24時間365日の監視体制や、導入・運用に関する講習を受けられるサポート体制が整っており、導入社数は5万社を超えています。スマホやタブレットにも対応しているなど利便性も高く、現場にも受け入れられやすいシステムです。
受発注管理システムを選ぶ際の11の比較ポイント

受発注管理システムを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
実績や機能面だけでなく、導入の難易度やサポート体制なども確認することが重要です。それぞれ詳しく解説します。
自社の業種に対応したシステムか
まずは導入を検討している受発注管理システムが自社の業種に対応しているかを確認しましょう。受発注フローや必要な帳票などは業界によって異なります。
たとえば製造業であれば、部品単位での受発注や工程進捗の把握が必要です。一方、卸売業では取引先ごとの単価設定や出荷指示の効率化が重要になります。
また、同じ業種の企業でも、業務フローによって必要になる機能が変わることは少なくありません。そのため、受発注管理システムを導入する際は、自社の受発注業務に必要な機能を明確化し、搭載されているか確認することが重要です。
自社と同じ業界での導入実績は豊富か
続いて、自社と同じ業界での導入実績は豊富かを確認しましょう。同業他社での活用事例がある受発注管理システムを導入すれば、運用イメージが明確になりやすく、活用の方向性も描きやすくなります。
また、業界ごとのノウハウを活かしたサポート体制が整っていることも多いため、導入や運用を円滑に行える可能性が高いです。
加えて、業界内の導入実績が多いシステムであれば、業界特有のフローや課題に対応した設計がされていることが多く、現場への定着も早くなる傾向があります。
受発注管理システムを導入する際は、あらかじめ導入実績や事例を確認し、自社に適しているか判断しましょう。
取引先でも導入できるか
受発注管理システムを選ぶ際は、自社だけでなく取引先でも無理なく導入・運用できるか確認しましょう。受発注管理システムは取引先が同じシステムに対応できなければ、情報共有の効率が下がり、効果が限定的になります。
そのため、自社だけでなく取引先のメリットも考慮して導入する製品を検討することが重要です。
取引先ごとにログイン権限を分けて設定できる機能や、インストール不要でWebブラウザから簡単にアクセスできる機能があれば、取引先も負担なく導入できます。
受発注管理システムを検討する際は、取引先の意見も取り入れ、双方が納得した形で導入できるものを選びましょう。
現場で利用しやすいか
現場での使いやすさも、受発注管理システムを選ぶ際のポイントです。機能面で優秀なシステムであったとしても、操作性やUIが悪いと現場での業務効率が下がるおそれがあります。
一方、UIが直感的で、必要な機能にすぐアクセスできる設計になっていれば、効果的に業務効率を高めることが可能です。
受発注管理システムに限らず、業務フローに関わるシステムを導入する際は、現場からの不満も出やすいため、可能な限り使いやすいものを選定することが重要になります。
受発注管理システムを検討する際は、現場での運用イメージも明確にし、円滑な導入・運用が期待できるものを選定しましょう。
スマホ・タブレットに対応しているか
現場での使いやすさに関連するポイントとして、スマホやタブレットへの対応可否も重要です。スマホやタブレットに対応しているシステムであれば、外出先や倉庫などでもリアルタイムで情報の確認や入力が行えるため、業務の柔軟性が高くなります。
また、現場でメモをとって事務所で入力するといった作業がなくなるため、情報の入力ミスや転記漏れのようなヒューマンエラーがなくなり、ペーパーレス化も実現可能です。
加えて、口頭連絡に依存した情報共有も少なくなるため、情報の確実性が増し、無駄な確認作業などを削減できます。効率的な受発注業務を実現したいのであれば、スマホやタブレットに対応したシステムを導入しましょう。
スピーディーな導入が可能か
スピーディーに導入できるかも、受発注管理システムを選ぶ際の重要な比較ポイントです。高機能な受発注管理システムを導入しても、運用まで時間がかかりすぎると業務に支障をきたしかねません。
操作感やUIに優れるシステムであれば、担当者が操作を覚えるまでの期間が短くなる傾向にあるため、早期での運用開始が期待できます。
提供ベンダーによる導入サポートがあれば、自社の業務フローに合わせた設定支援や教育まで対応してもらえるため、よりスムーズな導入が可能です。
導入から運用開始までの期間を短縮できれば、早期での業務効率化が可能になるので、受発注管理システムを選ぶ際は導入のしやすさも確認しましょう。
データの分析がしやすいか
受発注管理システムを選ぶ際は、蓄積されたデータを分析や活用がしやすいかも確認しましょう。発注数や納期、取引先ごとの傾向などを自動で可視化できる機能が備わっていれば、属人的な感覚に頼らずに効果的な業務改善が可能です。
たとえば、ダッシュボード上で見やすく整理されたレポートを確認することで、過剰在庫や納品遅延の兆候を早期に察知し、対応策を講じやすくなります。
データ分析機能が標準搭載されているシステムであれば、日々の運用データを単なる記録にとどめず、戦略的な意思決定に役立てることが可能です。
コストは適正か
受発注管理システムを選ぶ上で、コストの吟味は避けて通れない比較ポイントの1つです。
初期費用や月額料金が予算に見合っているかどうかに加えて、カスタマイズ費用や将来的なアップグレードにかかるコストも含めて検討する必要があります。
たとえば、段階的に機能を拡張できるプランがあれば、まずは最小限の投資から始めて、業務の変化に応じて柔軟に対応していけます。
一方、必要以上に高機能なツールを選んでしまうと、費用対効果が下がる原因にもなるため、現場で実際に活用する機能とコストのバランスを見極めることが重要です。
中長期的な視点でランニングコストも想定したうえで、自社の業務に見合った投資であるかを冷静に判断することが、失敗しない選定につながります。
セキュリティ対策は万全か
受発注管理システムを導入する際に、セキュリティ対策が十分に行われているかも確認しましょう。取引先の情報や受発注データといった機密性の高い情報を扱う以上、受発注管理システムは情報保護の仕組みが万全でなければ安心して利用できません。
IP制限やアクセス管理機能が備わっていれば、不正アクセスや情報流出のリスクを抑えることができ、安全にデータを管理できます。
また、通信の暗号化やログ管理といった基本的な対策が標準で搭載されているかどうかも、比較時に確認しておきたいポイントです。
重要な業務データを安全に管理・運用するためにも、セキュリティ体制が整ったシステムを選び、想定されるトラブルを未然に防ぎましょう。
無料トライアルで導入前に仕様を確かめられるか
受発注管理システムを選ぶ際は、無料トライアルが用意されているかも確認しましょう。機能が充実していても、自社の業務フローや取引先とのやりとりに合っていなければ、効率化どころか混乱を招くリスクもあります。
無料トライアルが利用できる受発注管理システムであれば、導入前にシステムの操作性やUIを社内外の関係者に確認してもらえます。
また、他システムとの連携可否、業務への干渉の有無なども事前に把握することが可能です。決裁権を持つ人に上申する際も、システム導入に対する理解も得やすくなります。
検討しているシステムに無料トライアルがある場合は、積極的に利用しましょう。
サポート体制は整っているか
受発注管理システムは日常的な業務に関わることもあり、万が一のトラブル時に備えたサポート体制の確認が欠かせません。
導入直後の設定や操作に関する導入支援はもちろん、運用中の不明点に対してもスムーズに相談できる体制が整っていれば、安心して活用を続けられます。
たとえば、電話・メール・チャットなど複数の問い合わせ手段が用意されていたり、24時間対応のヘルプデスクがある場合には、夜間稼働の拠点でも支障なく対応が可能です。
また、FAQやマニュアルが充実していれば、細かい疑問の解決を担当者自身で解決できます。
業務を止めないためにも、運用フェーズに入ってからの支援まで視野に入れ、サポート体制の質と対応範囲を比較検討しておきましょう。
受発注管理システムとは

受発注管理システムとは、企業間で行われる受注・発注業務を一元管理できる業務効率化システムです。
従来の電話・FAX・メールを使ったやりとりでは、伝達ミスや対応遅れが起こりやすく、管理の手間も大きくなることが多いです。
受発注管理システムを導入すれば、取引先とのやりとりや書類作成、ステータス管理をすべてオンライン化し、業務の透明性とスピードを高められます。
また、クラウド型のシステムであれば、場所を問わずシステムにアクセスできるため、在宅勤務や現場対応にも柔軟に対応することが可能です。
取引件数が増え、手作業による対応に限界を感じている企業にとって、受発注管理システムの導入は業務の標準化と効率化を同時に実現する有効な手段となります。
受発注管理システムとEDIの違い
EDIとは、企業間で発注・納品・請求などのデータを直接連携・送受信する仕組みのことです。
EDIは広義的に見れば受発注管理システムの一種といえますが、企業の基幹システム同士が専用回線を介して直接データを交換するため、従来の受発注管理システムよりも情報処理のスピードが速い傾向にあります。
ただし、企業間で専用回線の構築が必要になる都合上、従来の受発注管理システムよりも導入のハードルが高いのがデメリットです。
運用においてもITスキルが必要になるため、導入・運用のコストを抑えつつ業務効率化を図りたいのであれば、従来の受発注管理システムを検討した方が良いでしょう。
受発注管理システムのタイプを解説

受発注管理システムは主に以下の3タイプに分類されます。
それぞれ強みが異なるため、自社に合ったタイプのシステムを導入することが重要です。それぞれ詳しく解説します。
導入実績の多い汎用タイプ
導入件数が多い汎用タイプの受発注管理システムは、多くの業種や業態に対応できるスタンダードな機能を備えており、はじめて導入を検討する企業にも最適です。
幅広い導入実績があることで、業界や企業規模が近い他社の活用事例も見つけやすく、運用の参考情報を得やすくなります。
また、導入実績の多いタイプは取引先企業でも導入されているケースが多く、システム間のやり取りもスムーズに進みやすいのが利点です。
導入ユーザーが多いサービスほど、問い合わせ対応やマニュアル整備などのサポート体制が整っている傾向があり、万一のトラブル時にも安心して運用を続けやすくなります。
柔軟なカスタマイズが可能なタイプ
自社の業務フローに細かく対応したい場合は、柔軟なカスタマイズが可能な受発注管理システムが有効です。
標準機能だけでは対応しきれない業務や取引先ごとの要望に対して、画面設計や処理内容を柔軟に調整できる拡張性の高さが魅力です。
たとえば、スマホやタブレットから発注する取引先に向けてノーコードで画面UIを簡素化したり、納期確認が頻繁な業務にAPI連携を活用して在庫情報を自動表示したりといった対応がしやすくなります。
中にはフルスクラッチに近いレベルで構築できるツールもあり、将来的な業務変化を見越した設計も可能です。
カスタマイズの自由度が高いシステムを選べば、業務の変化や取引先のニーズにも柔軟に対応でき、長期的な活用にもつながりやすくなります。
受発注業務以外も効率化できるタイプ
受発注業務に加えて、関連する業務もまとめて効率化したい企業には、他機能との連携に優れた多機能型システムが適しています。
たとえば、在庫管理や請求処理といった業務がシステム内で完結すれば、データの移し替えや二重入力の手間がなくなり、作業の正確性とスピードが向上します。
さらに、売上一元化機能を活用すれば、受注情報と売上データを連動させて集計できるため、部門をまたぐ情報共有や経営判断が可能です。
また、連携機能が充実していれば、会計ソフトや労務管理システムなどともスムーズにつながり、業務全体の最適化を後押ししてくれます。
こうした多機能型のシステムを選べば、受発注管理を軸にしながら業務全体の効率化と一元管理を実現することが可能です。
受発注管理システムの主な機能

受発注管理システムの主な機能は以下の通りです。
それぞれの機能について詳しく解説します。
【受発注管理機能】受発注をシステム上ですべて管理
受発注管理機能は、受注と発注をシステム上で効率的に行える機能です。
顧客情報や注文履歴、処理状況をリアルタイムで把握でき、進捗の遅れやミスにも即座に対応できる体制が整います。
また、従来の紙の伝票や電話・FAXで行っていたやり取りをデジタルに置き換えることで、入力ミスや伝達漏れのリスクを軽減することが可能です。
特に拠点数が多い企業や複数の取引先とやり取りしている場合は、受発注の流れをシステム上で完結させることで、属人的な管理から脱却しやすくなります。
日常業務の標準化と効率化を同時に進めたい企業にとって、基幹となる重要な機能です。
【在庫管理機能】リアルタイムで在庫反映
在庫管理機能では、受発注データと連動した在庫数の変動がリアルタイムで反映され、常に最新の在庫状況を把握できます。
出荷や納品のタイミングに応じて在庫が自動更新されるため、過剰在庫や在庫切れといったトラブルの予防が可能です。
売れ筋商品の把握や適正在庫の維持にも効果的で、保管コストの削減や欠品による機会損失の防止にもつながります。また、需要に応じた受発注判断を現場レベルで行えるため、効率的な受発注業務の実現が可能です。
【出荷管理機能】出荷した在庫の情報を管理
出荷管理機能を利用すれば、出荷済みの在庫情報を正確に把握できるようになり、トラブル防止や業務の透明化につなげることが可能です。
特に複数の出荷先や拠点を持つ企業では、出荷後のデータをクラウド上で一元管理することで、情報の抜け漏れや確認ミスを未然に防ぎやすくなります。
出荷ステータスや配送状況を即時に追跡できるため、社内だけでなく取引先からの問い合わせにもスムーズに対応できるようになり、顧客満足度の向上にも寄与します。
また、出荷と在庫のデータが連動することで、過不足のチェックや次回発注タイミングの判断にも役立ち、より正確な在庫コントロールが可能です。
出荷情報の可視化と一元管理を通じて、安定した物流体制を整えたい企業にとって、重要な機能の一つといえます。
【請求管理機能】請求書を自動作成
請求管理機能を使えば、発注データをもとに請求書を自動作成できるため、入力ミスや作成漏れを防ぎやすくなります。
特にエクセルやマクロで請求書を管理していた企業の場合は、帳票自動化によって業務負担を大幅に軽減できます。請求書はPDF形式で出力・保存が可能なため、請求業務のペーパーレス化も可能です。
また、発行済みの請求書データを一元管理できるため、支払状況の確認や再発行がスムーズになり、社内の経理業務とも連携しやすくなります。
【メール自動送信機能】テンプレートや条件に沿ってミスなく送信
メール自動送信機能を活用することで、受注通知や納期案内などの定型連絡を自動化できます。
テンプレートを活用してあらかじめ文面を登録しておけば、条件に応じたメール通知が自動で送信されるため、対応漏れや誤送信のリスクを抑えることが可能です。
また、送信履歴の管理やステータスの可視化にも対応していれば、問い合わせ対応やトラブル対応も効率化しやすくなります。
特に取引先の多い企業の場合は、うまく活用することで業務効率を顕著に高められる機能です。
【データ分析機能】データを分析して改善に活かせる
データ分析機能では、受発注に関するKPIや取引傾向を数値やグラフで可視化でき、業務改善や経営判断に役立てることが可能です。
たとえば、発注量の推移や納期遅延の発生件数などをレポート化することで、現場で発生しているボトルネックの把握や、取引先ごとの対応改善に直結します。
また、分析結果は営業活動や在庫管理とも連動できるため、意思決定支援ツールとしても有効です。
定期的なデータ分析を実施すれば、属人的な判断に頼らない安定した業務運営が可能になり、組織全体の生産性向上につながります。
【レポート作成機能】分析結果を自動でレポート化
受注管理システムによっては、蓄積された受発注データをもとにしたレポートを自動で作成できる機能が搭載されています。
前述の通り、定期的なデータ分析は現場で発生しているボトルネックの把握や、取引先ごとの対応改善に有効です。
レポート作成機能を活用すれば、日々のレポーティング作業の負担を大幅に軽減できるため、より効率的にデータを活用できます。
レポートはあらかじめ帳票設計されたフォーマットに従って出力されるため、分析結果を整理しやすく、社内共有や上長への報告もスムーズに行いやすくなります。
また、CSV出力にも対応していれば、システム上のデータを他の業務ツールで活用することも可能です。
【他システムとの連携機能】導入済みシステムと連携
他システムとの連携機能があれば、既存の会計ソフトやERPなどの基幹システムとスムーズにデータをやり取りでき、業務全体の効率化につながります。
特にAPIやCSVでのデータエクスポート機能やAPI連携機能があれば、他ツールに転記する際のミスや手間を削減しつつ、シームレスなデータ活用が可能です。
すでに導入しているツールとの互換性を確認しながらシステムを選定することで、システム連携による業務改善効果を最大限に引き出せます。
複数の業務ツールを利用している企業ほど、連携機能の有無が導入後の利便性に大きく影響します。
受発注管理システムを導入するメリット

受発注管理システムの導入によって得られるメリットは以下の通りです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
受発注業務を効率化できる
受発注管理システムを導入することで、アナログで行っていた業務を自動化・一元化でき、管理業務の工数の大幅な削減が可能です。
これまでFAXや紙の伝票で行っていた受注処理や発注管理を自動化できるため、各タスクにかかる時間の大幅に削減できます。
また、入力ミスや伝達漏れといったヒューマンエラーを削減できるため、人的ミスに起因する業務の遅延も防げます。
加えて、受注・発注の進捗状況をリアルタイムで把握できるため、顧客対応や仕入先とのやりとりが効率化されることも、受発注管理システムを導入するメリットといえるでしょう。
場所や時間を問わず受発注が行える
受発注管理システムを導入すれば、場所や時間を問わず受発注が行えます。
クラウド型のシステムであれば、インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、在宅勤務中や出張先でも受発注業務が滞ることなく進められます。
また、スマホやタブレットに対応しているサービスであれば、倉庫などでリアルタイムで在庫や注文状況を確認できるため、柔軟な業務が可能です。
さらに、取引先でも同じように場所や時間を問わず受発注が行えるようになるため、取引先の業務負担軽減にもつながります。
以上のように、受発注管理システムを導入することで、働き方の柔軟性を向上することが可能です。
発注ミスの削減によって商品ロスを減らせる
発注ミスの削減は、受発注管理システムを導入する代表的なメリットの1つです。
在庫状況と発注履歴がリアルタイムで連携されることで、人的ミスや二重発注といったエラー防止につながります。
特に入力チェック機能を活用すれば、従来の紙ベースやExcelによる手動処理と比べ、正確な発注業務が可能です。
また、過剰在庫による保管コストの増加や、食品・日用品のように賞味期限・使用期限のある商品のロスも最小限に抑えられます。
月次決算を効率化できる
受発注管理システムは、月次決算業務の効率化にも大きく寄与します。
発注や請求処理のデータがシステム上で一元管理されるため、売上集計や月次集計に必要な情報をリアルタイムで確認でき、経理担当者の作業時間を大幅に短縮できます。
また、帳票出力やレポート作成も自動で行える機能があれば、これまで手間のかかっていた資料作成の負担も軽減され、チェック漏れや転記ミスのリスクも低減することが可能です。
受発注業務だけでなく、月次決算をはじめとした経理業務も効率化したい企業にとっても、受発注管理システムの導入は大きなメリットになります。
在庫や売上に関する情報を一元管理できる
在庫や売上に関する情報を一元管理できることも、受発注管理システムを導入する大きなメリットです。
在庫管理や売上データが可視化されることで、商品の動きをリアルタイムで把握でき、在庫の最適化やタイムリーな発注判断が可能になります。
たとえば、売れ筋商品の動向をもとに素早く在庫補充を行えば、販売機会の損失を防げるほか、過剰在庫によるコストの発生も抑えられます。
さらに、取引先の購入履歴や問い合わせ内容などを一元管理し、内容に沿ったサービスを提供することで、顧客満足度の向上に繋げることも可能です。
以上のように、受発注管理システムを導入することで、自社業務の効率化だけでなくサービスの質の向上にもつなげられます。
受注窓口を一本化できる
受注窓口を一本化できることも、受発注管理システム導入によるメリットの1つです。
FAXやメール、電話など、複数のチャネルから届く注文情報を一元化すれば、確認ミスや対応の遅延といったトラブルを防ぎやすくなります。
ただし、受注窓口を一本化するためには、取引先に同じ受発注管理システムを導入し、システムに合わせた注文手段を利用してもらう必要があるので注意しましょう。
取引先からの注文手段を整理し、利用している企業が多い手段に統一してもらうことで、質の高いサービスの提供が可能になります。
ペーパーレス化によるコスト削減につながる
受発注管理システムを導入することで、受発注業務のペーパーレス化が可能です。
帳票や注文書・納品書などのやり取りを電子化することで、注文ごとの請求書印刷や、ファイリング保存の必要がなくなるため、印刷用紙やインク代などのコストを削減できます。
また、書類を1つのシステム上で管理・閲覧できるため、必要な書類を検索しやすいのもメリットです。
災害による書類の紛失リスクもなくなる他、外部の人間に盗難のリスクも抑えられるため、セキュリティ面でもメリットがあります。
データを活用した改善ができる
受発注管理システムを導入すれば、蓄積されたデータをもとにボトルネックを特定し、業務プロセスを継続的に改善できます。
リアルタイムで集計された数値をKPI設定に活用することで、ボトルネックの早期発見が可能です。たとえば、特定の取引先で納期遅延が多い場合には、担当部門や工程の負荷状況を分析し、改善提案につなげられます。
また、直近のデータと過去データを比較することで、適正な在庫量や仕入計画の見直しが可能です。以上のように、データを活用することで、業務改善のサイクルを効果的に回せます。
受発注業務の属人化を防止できる
受発注管理システムを導入することで、属人化しやすい業務の標準化が可能になります。
アナログな業務では担当者ごとの判断や対応に頼る場面が多く、情報の引き継ぎ不足や対応ミスが発生しがちです。
しかし、システム上で業務フローやマニュアルを整備しておけば、担当が変わっても同じ手順で対応できるため、引き継ぎの手間を減らしつつ業務品質を一定に保ちやすくなります。
結果として安定的な運用体制の構築を実現しやすくなることも、受発注管理システムを導入するメリットといえるでしょう。
受発注管理システムを導入するデメリット・注意点

受発注管理システムを導入する際のデメリットや注意点は以下の通りです。
特に業務フローの変更が求められる可能性がある点については、あらかじめ把握しておく必要があります。それぞれのデメリットや注意点について詳しく解説します。
導入や運用にコストがかかる
受発注管理システムの導入には、初期費用や月額料金などのコストが発生します。
機能が充実しているほどランニングコストが高額になりやすく、自社の業務規模や課題に対して過剰な機能を導入してしまうと、ROI(投資利益率)が低くなるおそれがあります。
また、複雑なカスタマイズを行う場合は追加費用が必要になることも多く、予算を超過してしまうことも少なくありません。
そのため、導入前には初期費用と月額料金を含めたトータルコストを把握し、利用予定の機能と照らし合わせながら費用対効果を見極めることが重要です。
自社の業務フローの変更が必要になるおそれがある
受発注管理システムを導入すると、自社の業務フローをシステム運用を前提としたものに変更しなければならない場合があります。
特に紙やExcelでの情報伝達やデータ管理を行っている企業では、システムの導入によって業務フローが大きく変わるため、定着まで時間がかかることも少なくありません。
また、業務フローの見直しにともない、研修や業務マニュアルの整備なども必要になります。
業務フローに大きな変更があると、現場から不満の声も上がりやすくなるため、受発注管理システムの導入を検討する際は、業務フローへの影響を抑えられるかも選定基準にするとよいでしょう。
円滑な運用ができるまで時間がかかるリスクがある
受発注管理システムは、導入してから円滑な運用に至るまでに一定の習熟期間が必要になることが多いです。
特に他の業務改善システムなどを導入していない企業の場合、システムを活用した業務に関するリテラシーが低いことが多く、機能の理解や操作の習得に時間がとられるおそれがあります。
受発注管理システムを導入する際は、導入してから運用開始までにある程度の時間がかかることをあらかじめ把握した上で、運用スケジュールを組むようにしましょう。
また、ベンダーのサポートを頼ることも、社内でのシステムの定着を早める近道になります。
取引先への事前確認やフローの調整が必要になる
受発注管理システムを導入する際は、社内だけでなく取引先との事前確認も重要です。特に、システムの導入が取引先の業務フローに大きく影響を及ぼす可能性がある場合、相手先との事前確認を怠ると混乱を招くおそれがあります。
スムーズな連携を実現するためには、導入前の段階で運用ルールやデータフォーマットの仕様統一を行い、取引先とコミュニケーションを取りながら調整を進めることが求められます。
導入効果を最大化するには、自社だけでなく外部との連携体制も視野に入れた準備を怠らないようにしましょう。
受発注管理システムの活用事例

業種ごとの受発注管理システムの活用事例を紹介します。紹介する事例は以下の通りです。
それぞれ事例について詳しく見ていきましょう。
製造業での活用事例
3つ目は管理面での改善効果です。紙からデータに変わったので、履歴が管理できることが個人的には大きいと思っています。取引先が多岐にわたると、先方様にあわせた受注の癖があります。それを知るために度々履歴を検索するのですが、それを携帯ひとつで確認できるようになりました。手軽にお取引先様の要望に答えられるようになったため、私にとってはとてもストレスフリーになりました。
株式会社伊藤園では、受注業務の効率化とミス削減を目的に、「BtoBプラットフォーム 受発注」を導入しました。
導入前はFAXでの受注処理に多くの手間と時間がかかり、ミスや納期遅延の原因となっていました。しかし、導入後はFAXで受け取った発注書を自動でデータ化し、基幹システムと連携することで、1日あたり20件のFAX受注処理が不要となりました。
卸売業・商社での活用事例
『BtoBプラットフォーム 受発注』は、おもに外食チェーン店からの受注に使っています。販売管理に使っている基幹システムとデータ連携できる点で、もっとも親和性が高かったのがインフォマートのシステムだったのが導入のきっかけです。
青果卸の株式会社マチルダは、受発注業務のデジタル化を進めるために「BtoBプラットフォーム 受発注」を導入しました。
現在はデジタルでの受注率がほぼ100%となっており、受注情報のCSVデータを販売管理システムに取り込むことで、手入力によるミスや作業時間を削減しています。
また、音声ピッキングシステムとの連携や発送アップロード機能の活用により、発送処理の効率化も実現しています。
飲食店での活用事例
現在は全ての取引先への発注をCO-NECTでおこなっています。CO-NECTを導入したことにより、2つの効果がありました。
- 効果1. 電話をかける手間が不要になり、業務時間やコストを削減できた
- 効果2. 言い間違いなどのヒューマンエラーがなくなり、発注ミスを防止できた
札幌市の広東料理店「海鮮中華 宮の森れんげ堂」を運営する美点工場有限会社は、電話やFAXによる発注業務における手間やミスの課題を解決するために「CO-NECT」を導入しました。
結果、発注業務にかかる時間が半分以下に短縮され、年間約50時間の削減を実現しています。また、残業の影響で増えていた人件費や電話やFAXにかかっていた通信費など、年間8万円以上の経費削減に成功しました。
受発注管理システムの価格・費用相場

受発注管理システムの価格・費用相場を、各内訳に分けて紹介すると以下の通りです。
料金内訳 | 価格・費用相場 |
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初期費用 | クラウド型の場合:数万円〜数十万円程度 ハーフスクラッチ型の場合:100万円~数千万程度 フルスクラッチ型の場合:数百万円~数億円程度 |
月額利用料金 | 月額3千円〜5万円程度 |
カスタマイズ費用 | 数十万円~数百万円程度 |
メンテナンス費用 | 月額数千円~数万円程度 |
それぞれの内訳における傾向について解説します
導入費用の料金相場
受発注管理システムの初期費用は、クラウド型の場合は数万円〜数十万円程度であることが一般的です。製品によっては初期費用無料で導入できることもあります。
多くの製品はクラウド型となっており、社内へのサーバーの設置や細かいカスタマイズを行わないため、短い期間で導入できます。
一方、業務フローが複雑な企業や、取引先が膨大な大手企業などでは、カスタマイズ性の優れたフルスクラッチ型やハーフスクラッチ型の製品が必要になることも多いです。
フルスクラッチ型やハーフスクラッチ型の製品の場合、導入費用に数百万円~数億円かかることもあるので注意しましょう。
月額利用料金の料金相場
受発注管理システムの月額利用料は、月額3,000円〜50,000円程度が相場です。月額利用料はクラウド型の製品で発生することが多く、オンプレミス型の製品では発生しないことも少なくありません。
基本的には利用ユーザー数や機能の範囲に応じて変化するため、利用者や機能を厳選すれば料金を抑えられる可能性があります。
また、年払いすることで利用料が安くなる場合もあるので、費用対効果やキャッシュフローを考慮した上で契約することが重要です。
カスタマイズ費用の料金相場
受発注管理システムによっては、自社の業務フローに合わせたカスタマイズを行う際に追加費用が必要になる場合があります。
カスタマイズに必要な費用は、数十万円から数百万円程度であることが多いです。基本的には事業規模が大きく、業務フローが複雑なほどカスタマイズの工数が多くなるため、料金が高くなる傾向にあります。
受発注管理システムを選ぶ際は、初期費用や月額料金だけでなく、カスタマイズに必要な費用も確認した上で費用対効果を考えましょう。
メンテナンス費用の料金相場
メンテナンス費用は、基本的にフルスクラッチ型やハーフスクラッチ型のように、オンプレミスで導入する必要がある製品で必要になります。料金相場は月額数千円から数万円程度です。
クラウド型の製品の場合はベンダー側でサーバーを用意する都合上、基本的にはメンテナンス費用が発生しません。
一方で、先述の通りオンプレミス型の製品では月額利用料が発生しないことも多いため、メンテナンス費用がシステムの維持費に当たると考えることができます。
クラウド型の月額利用料と比較すると、メンテナンス費用は割安な傾向があるため、長期で利用する場合はオンプレミス型の方が費用対効果が高くなることも多いです。
まとめ:受発注管理システムは自社と顧客との相性を加味して比較しよう
受発注管理システムのおすすめや比較ポイント、導入メリット・デメリットなどを解説してきました。
アナログな方法で管理されがちな受発注業務ですが、受発注管理システムを導入すれば請求書や出荷指示書をデータで保存できるうえに、人的ミスの削減や分析も可能です。
また、在庫状況がリアルタイムで反映されるため、管理側と現場側で円滑な情報共有が可能になります。
ただし、自社と取引先が同じシステムを導入する必要があるなど、導入のハードルが高めな点には注意が必要です。
当記事を参考に、自社に合った受発注管理システムを探してみてください。