【2025年5月最新】受付管理システム比較3選!選び方や導入メリットも解説

来訪者に対する受付業務に課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。受付システムを導入すると、社員の受付業務が不要になるため、来訪者はスムーズに担当者と面談できるようになります。
この記事では、おすすめの受付システムを3社紹介しつつ、システム導入時の比較ポイントなどを解説します。
導入メリットについてもお伝えするので、受付業務の改善を図りたい方はご覧ください。
受付システムおすすめ3選を比較

おすすめの受付システムを3社紹介します。
受付システム | 特徴 |
---|---|
RECEPTIONIST(株式会社RECEPTIONIST) | 導入・売上シェア率No.1 |
SmartReception(M-SOLUTIONS株式会社) | 工場向け機能が充実 |
Acall(Acall株式会社) | グローバル対応が得意 |
各システムの強みをわかりやすく記載しているので、システム選びの参考にしてください。
RECEPTIONIST(株式会社RECEPTIONIST)
初期費用 | 0円 |
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利用費用 | 月額5,000円~ ※要見積もり |
無料サポート | あり |
無料トライアル | あり ※期間は要問合せ |
iPad運用 | あり(iPad専用アプリを使用) |
運営会社 | 株式会社RECEPTIONIST |
RECEPTIONISTは、iPadを用いたクラウド受付システムの代表格と言える存在です。公式発表によると、クラウド型受付システム市場で、導入・売上シェア率No.1を獲得しています。
11年間に渡る受付業務の経験があるCEOが、現場のリアルな声を元に開発されているため、導入企業からの満足度が高い受付システムです。
SmartReception(M-SOLUTIONS株式会社)
初期費用 | 0円〜 ※プランやオプションにより異なる |
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利用費用 | 月額20,000円~ |
無料サポート | あり |
無料トライアル | あり(1か月程度) |
iPad運用 | あり(iPad専用アプリを使用) |
運営会社 | M-SOLUTIONS株式会社 |
SmartReceptionは、iPadを活用して簡単に導入できるクラウド型受付システムです。来訪者の受付から担当者への通知、入退館履歴の管理までを一元化できます。
特に工場向け機能が充実しており、車両ナンバーや持込物の記録、災害時の安否確認などができる点が強みです。幅広いシステムやツールとの連携も可能で、柔軟な受付業務の運用が期待できます。
Acall(Acall株式会社)
初期費用 | 要見積もり |
---|---|
利用費用 | 要見積もり |
無料サポート | あり |
無料トライアル | あり(1か月) |
iPad運用 | あり(iPad専用アプリを使用) |
運営会社 | Acall株式会社 |
Acallは、受付業務の効率化に加えて、会議室予約や座席管理、入退館管理まで一元化できるオフィス運用支援システムです。
多言語対応や多拠点連携、時差管理機能も備えているため、グローバル展開をする企業にも適しています。また多機能でありながら、必要な機能を柔軟に選択して導入でき、企業規模やニーズに応じた運用が可能です。
受付システムを選ぶ際の13のポイント
ここでは、受付システムを導入する際に確認すべき13のポイントを解説します。
受付システムを導入する際に活用できる内容なので、ぜひ参考にしてください。
来訪通知の受取方法
受付システムを比較する際は、来訪者がオフィスに到着したときの通知方法に注目しましょう。Slack・Chatwork・Teamsなどのチャットツールに対応していると、PCやスマホへプッシュ通知が届くため、見逃し防止にも役立ちます。
さらに「誰に通知するか」を設定できるシステムなら、担当部署や個人宛てにダイレクトで通知を飛ばせるため、対応にスピード感も生まれます。
適切な通知方法を選択することで、来訪者への迅速な対応を可能にし、オフィス全体の業務効率の向上に繋げることができるでしょう。
通話機能の有無
受付システムにおける通話機能は、来訪者とのコミュニケーション効率を左右する重要ポイントです。来訪者が直接担当者へ電話連絡ができるため、待ち時間の短縮ができます。
具体的には、下記のような流れで対応が可能です。
- 来訪者が受付システム上で担当者を検索・選択
- システムを通じて、来訪者から担当者へ直接電話がかかる
- 担当者はその場で来訪者の状況を把握し、対応を開始
また、ビデオ通話機能があれば、より確実な本人確認や丁寧な対応が可能です。通話機能の利用は、オプション機能の追加や、別途クラウド電話ツールとの連携が必要なケースも少なくありません。
導入の際は、通話機能が利用できるシステムかどうかの確認が大切です。
来訪者のチェックイン方法
受付システムを選ぶときは、来訪者のチェックイン方法を必ず確認しましょう。来訪者にとって、スムーズでわかりやすい操作ができるかが重要です。
また、来訪者の利便性や施設の運用スタイルに合わせて、適切な方法を選択できるシステムが望ましいでしょう。
- QRコードによるスムーズな受付
- ICカードによる簡便な認証
- 手動入力による柔軟な対応
セキュリティ性を重視する場合は、顔認証や身分証スキャンといった本人確認機能の有無と、その精度も重要です。
本人確認機能が備わっていれば、不正な立ち入りを防ぎ、施設全体の安全性向上にもつながります。受付システムは、来訪者の利便性とセキュリティバランスを意識して選ぶことが大切です。
効率化できる業務の範囲
受付システムは、単なる受付対応だけでなく、オフィス全体の業務効率化にも役立ちます。
たとえば、会議室予約機能があれば、ホワイトボードやExcel管理よりスムーズに空き状況を把握でき、予約ミスも防げます。車での来訪者が多い場合は、駐車場管理と連携できるシステムだとさらに便利です。
中には他システムと連携する必要がなく、オプションとして追加できる受付システムもあります。受付システムの導入は、受付業務を起点に、オフィス全体の業務効率化を実現したい企業にとって、大きな助けとなるでしょう。
課題を解決できる機能の搭載
受付システムを選ぶ際は、自社の課題を解決できる機能が搭載されているかを見極めましょう。多機能であることだけに目を向けてしまうと、「不要な機能ばかりであまり活用できなかった」という事態に陥りがちです。
たとえば、受付担当者の負担軽減が課題であれば、自動受付機能や来訪者自身でのチェックイン機能が有効です。セキュリティ強化が目的なら、顔認証機能が搭載されているシステムを検討すると良いでしょう。
現状の課題を明確にすることで、自社にとって必要なシステムが浮き彫りになります
無理のない運用コスト
受付システムを検討する際は、初期費用だけでなく、継続的に発生する運用コストの考慮も大切です。システムの種類や契約プランによって、ランニングコストは大きく変動します。具体的なランニングコストは、下記の通りです。
- 月額利用料
- 保守費用
- アップデート費用
- サポート費用
自社の利用規模や、必要な機能に見合った料金プランを選ぶことで、無駄なコストを削減でき、無理のない運用ができます。また、将来的な事業拡大や、機能追加に伴うコスト変動についても事前に確認しておくと安心です。
受付システムを導入する際は、無料トライアル期間などを活用し、実際の運用感と費用対効果を慎重に比較検討しましょう。
サポート体制の充実
受付システムを導入する際は、サポート体制の充実度も重要な選定基準となります。導入時の設定支援や、操作トレーニングの有無も、スムーズな運用開始には不可欠だからです。
また、トラブルが発生した場合に、電話・メール・チャットなどでサポートが受けられると、万が一の場合も安心して運用できるでしょう。加えて、FAQやヘルプサイトが整備されていれば、企業側で自立的な運用もできます。
受付システムは、導入初期の支援はもちろんのこと、継続的な支援が受けられるサービスを選ぶことが大切です。
対応端末の種類
受付システムを導入する際は、対応端末の種類も重要なポイントです。対応端末の種類は、利用者の利便性や、設置場所の柔軟性に大きく影響するからです。
たとえば、タッチパネル式であれば、安定した動作が期待でき、セキュリティ面での安心感があります。
また、iPadを受付システムとして活用できるサービスも多く、既存のデバイスを有効活用できる可能性があります。くわえて、省スペースで設置しやすく、タッチ操作に慣れた来訪者にとっても直感的に操作できる点が魅力です。
対応端末の種類によって、導入後の運用方法や来訪者の満足度も大きく変わります。受付システムを検討する際は、無料トライアルなども活用しつつ、自社の環境やニーズに合った端末を選ぶことが重要です。
外国語への対応
外国語対応機能を備えた受付システムを導入すれば、海外からの来訪者にもスムーズな対応ができます。
画面上で言語切替が簡単にできる設計であれば、日本語に不慣れな来訪者もストレスなく手続きが進められるからです。
特に、英語・中国語・韓国語など主要な言語に対応し、かつ翻訳精度が高く自然な表現が使われているかは重要な比較ポイントです。外国人対応機能は、企業のホスピタリティ向上にも大きく貢献するでしょう。
無料トライアルの有無
受付システムを検討する際は、無料トライアルが提供されている製品を積極的に活用しましょう。iPadなど既存の端末で試用できる場合、導入ハードルが低くなり、スムーズな体験を始められます。
一般的なトライアル期間は1ヶ月程度であり、この間に機能や使い勝手を十分に確認することが重要です。また無料期間終了後に、データや設定を引き継いだまま有料プランへ移行できるサービスも少なくありません。
再設定の手間がなく本格運用へ進める点も大きなメリットと言えるでしょう。
来訪側・企業側の操作性
受付システムを選ぶ際は、来訪者と企業側それぞれの操作性に注目しましょう。操作性の低いシステムは、来訪者に不快感を与え、企業の印象を損ねるだけでなく、企業内部の業務効率を低下させる可能性があります。
来訪者、企業側の操作性について、重要なポイントを下記にまとめました。
来訪者側
- 直感的に操作できる
- 文字サイズや配色の工夫で見やすい画面の提供
- 複数のチェックイン手段(利便性の向上)
企業側
- 社員情報の管理が簡単
- 既存ツールとの連携が可能(SlackやTeamsなど)
- 来訪者情報の一元管理(業務効率の向上)
運用時の負担を減らし、効率的に活用できるシステムを選びましょう。
高いセキュリティ性
受付システムを導入する際は、セキュリティ性の高さにも注目しましょう。システム内には、会社情報や個人情報、来訪者とのやり取り内容など多くのデータが蓄積されています。
データの一元管理は大きな利点ですが、万が一システムがハッキングされると重大な情報漏洩のリスクを伴います。そのためISO27001(ISMSの国際規格)など、セキュリティに関する外部認証を取得しているシステムを選ぶことが重要です。
また入退館ログを正確に記録・追跡できる機能が備わっていれば、万一の際にも迅速に対応でき、リスク管理体制の強化にもつながります。
カスタマイズ性
受付システムを選ぶ際は、カスタマイズ性の高さも重要な比較ポイントです。ブランドイメージを大切にする企業にとっては、受付画面の見栄えが第一印象を左右するといっても過言ではありません。
自社ロゴの表示や背景デザイン、ボタンカラーや文言の変更ができるシステムであれば、統一感のあるブランディングが可能です。またチェックイン時の入力項目や、フローを自由に設定できると、業務内容に応じた柔軟な対応ができます。
このように、柔軟なカスタマイズ性は、来訪者には快適な体験を提供し、企業にはブランドイメージと業務効率の向上に貢献します。
受付システムの費用相場

受付システムの初期費用と月額費用の相場は、おおよそ下記の通りです。
初期費用 | 0円〜数十万円程度 |
---|---|
月額費用 | 4,000円〜数万円 |
iPadなどの既存端末を活用できる場合は、新たに端末を購入する必要がないため、初期コストが抑えられるでしょう。
ロボット型やAI搭載型は、ロボット本体やAIシステムの開発・導入費用がかかるため、高額になる傾向があります。また、導入する端末の台数や、追加オプションによって費用が変動する点には注意が必要です。
受付システムの中には、1ヶ月程度の無料トライアルを実施しているサービスも少なくありません。受付システムを導入する際は、機能内容やサポート体制なども比較しつつ、コストパフォーマンスの高さを重視して選びましょう。
受付システムは自作できる?
Padを活用した受付システムの自作は不可能ではありませんが、専門的な知識と高い技術力が必要です。来訪者情報の管理には厳重なセキュリティ対策が求められ、個人情報保護法への適合も考慮しなければなりません。
またチェックイン機能や担当者への通知機能、ログ管理など、多くの要素を一から設計・開発するには大きな手間とコストがかかるでしょう。こうした負担を避け、確実で安心な受付環境を整えたい場合は、実績ある受付システムの導入を検討するのがおすすめです。
受付システムを導入する6つのメリット
受付システムの導入で、来訪者の対応業務をシステムに任せられるようになります。ここでは、受付システムを導入する6つのメリットについて解説します。
受付システムの強みをひとつずつ確認しましょう。
受付業務の効率化を図れる
受付システムの導入で、受付業務を大幅に効率化できます。来訪者情報の記入作業や、内線電話による担当者への取次業務が不要となり、対応にかかる手間を削減できるからです。
来訪者に名札プレートを手渡すといった手作業も不要になるため、総務部や人事部のスタッフは他の重要業務に集中できる環境が整います。
受付業務の省人化により、全体の業務効率が向上し、結果として残業時間の削減にもつながるでしょう。
来訪者の待ち時間短縮を実現できる
受付システムでは、来訪者が必要事項を入力すると、担当者へ来客通知を送信します。受付担当者の取次業務がなくなるため、来訪者の待ち時間を最小限にできます。また担当者は、画面上で事前登録したアポイントメント情報の確認が可能です。
- 訪問者の氏名
- アポイントメントの日時
- アポイントメントの種類や目的
担当者は、来訪者が「誰と、いつ、どのような目的でアポイントメントがあるのか」をスムーズに把握できるため、適切な対応を取ることができます。
受付システムの導入で、来訪者と担当者双方にとって、効率的でストレスのない受付体験を提供できます。
オフィスをフリーアドレス化できる
受付システムの導入で、オフィスのフリーアドレス化ができるようになります。来客通知がPCやスマホのチャットツールに直接届くため、内線電話を利用する必要がなくなるからです。
デスクに固定している内線電話がなくなると、オフィスのさまざまな場所で自由に働ける「フリーアドレス化」が目指せます。
フリーアドレス化は、場所を移動して集中力を維持したり、普段会話が少ない人とのコミュニケーションの機会を増やせたりと、職場環境の活性化に役立ちます。
受付システムは、受付業務の効率化だけでなく、オフィス環境の向上という相乗効果によって、生産性の向上も期待できるでしょう。
来客スケジュールを管理しやすくなる
カレンダーアプリと連携できる受付システムを導入すると、来客スケジュールの一元管理ができるようになります。
たとえば、カレンダーアプリに来訪予定を登録すると、受付システムにも自動的に内容が反映されるため、予定を二度登録する必要がなくなります。
来訪スケジュールは、社内共有が可能なため、情報伝達の効率化とミスの防止にも貢献します。また、システムが自動で来訪予定のリマインドを送信することで、「アポ忘れ」や「時間間違い」といった来訪者側のトラブルの軽減も可能です。
受付システムは、来客管理の効率化とスムーズな来客対応を実現し、ビジネスにおける信頼性の向上に役立ちます。
オフィスのセキュリティを強化できる
受付システムは、来訪者情報が正確に記録されるため、オフィスのセキュリティを高められます。システムに保存された入退館データにより、「いつ」「誰が」「どの部署に」訪問したのかを即座に確認できるためです。
そのため、不審者の侵入を見逃すリスクを大幅に減少できます。また「アポなしの訪問者は拒否」といった設定も可能です。特に飛び込み営業対策などに役立つため、無駄に時間を使ってしまうことも少なくなるでしょう。
入退館の記録は一定期間保存され、万が一情報漏洩が発生した際にも、記録を確認すれば調査をスムーズに進められる点も強みです。
受付システムは、来訪者の受付業務を効率化するだけでなく、オフィスのセキュリティを向上させるツールとしても活用できます。
DX化によるイメージアップにつながる
受付システムの導入は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を具体的に示す取り組みとして、イメージアップに大きく貢献するでしょう。
システムによるスムーズな受付手続きは、テクノロジーを活用した先進的な企業姿勢のアピールが可能です。また、ペーパーレス化や効率的な情報管理は、環境意識の高さや業務効率化への意識を示すとともに、スマートな印象を与えられます。
デジタル技術の積極的な活用は、革新的で安心感を与える企業イメージを作り出し、お客様や取引先からの評価を高められるでしょう。
受付のデジタル化は、単なる業務効率化に留まらず、企業のブランドイメージを向上させる戦略的な一手となります。
受付システム導入時の注意点
受付業務の効率化を目指せる受付システムですが、導入時には注意すべき点も存在します。ここでは、導入時に気をつけてほしい3つの注意点を解説します。
導入前にしっかり理解しておきましょう。
受付対応が無機質になる懸念がある
受付システム導入は、業務の効率化ができる一方、無機質で機械的な対応になるという懸念点があります。特に、デジタル操作に不慣れな来訪者には、不安を与える可能性があるでしょう。
受付は企業の顔であり、無機質な温かみのない対応は、企業イメージの低下に繋がります。イレギュラーな事態への対応が難しいこともあり、システム不具合時のサポート不足は顧客満足度を損ねてしまいかねません。
受付システムを導入する際は、受付業務の効率化だけでなく、来訪者に配慮したシステム選定と運用が重要です。
混乱を防ぐための周知が必要
受付システム導入後の円滑な運用には、全社員への確実な周知が不可欠です。なぜなら、来客対応を行う可能性のある全ての社員が、システムを利用する機会があるからです。
もしシステムの使用方法が十分に理解されていない場合、来訪者への適切な対応が滞り、結果として失礼な印象を与えかねません。
そのため、システム導入後は、分かりやすい操作マニュアルの作成や、製品メーカーによる運用サポートの依頼などをしましょう。混乱を防ぐためには、全社員への丁寧な情報共有と理解促進を図ることが重要です。
想定以上に運用コストがかかる恐れがある
受付システムは、多くの場合、月額料金を支払うことで継続的に利用できるサービスです。
そのため、導入時の初期費用だけでなく、運用にかかる月々の費用についても十分に検討しておきましょう。他にも、下記のような費用が発生する場合もあります。
- システムのメンテナンス費用
- トラブル発生時のサポート費用
突発的な支出を抑えるためにも、事前に運用コストの算出をしておきましょう。
受付システムとは

受付システムとは、オフィス・店舗・施設などにおける来訪者対応を、デジタル化・自動化するためのツールです。
紙の受付票や内線電話による呼び出しを不要とし、来訪者の情報入力、担当者への通知、入退館記録などを効率的に管理できます。
これにより、受付業務の省人化や業務効率化だけでなく、セキュリティ向上やペーパーレス化による環境負荷の軽減も実現可能です。
近年では、多言語対応が可能な受付システムも増えており、海外からの来訪者にもスムーズに対応できる環境が整えられています。これにより、グローバル対応ができる企業としてのイメージ向上にもつながるでしょう。
受付システムが普及した理由
受付システムが普及した背景には、主に下記の2つの要因が挙げられます。
- 感染症対策としてのニーズの高まり
- バックオフィスの業務効率化
まず、大きな要因として挙げられるのが、新型コロナウイルス感染症の拡大です。受付システムの導入で、対面での接触を極力減らし、非対面での受付対応ができるようになりました。
また感染者が発生した場合でも、来訪履歴を迅速に確認できるため、濃厚接触者の特定をスムーズに行えます。
もうひとつの要因は、企業の総務部門をはじめとする、バックオフィス業務の効率化です。来客対応の自動化により、担当者の負担が軽減され、本来注力するべき業務に集中できる環境が整いました。
受付システムの導入は、単なる省人化だけでなく、業務全体の効率化と生産性の向上が可能です。このような理由により、近年受付システムの導入が急速に進んでいます。
受付システムと入退室管理システムの違い

受付システムと似たシステムとして、「入退室管理システム」が挙げられます。それぞれの特徴を下記にまとめました。
項目 | 受付システム | 入退室管理システム |
---|---|---|
目的 | 来訪者対応を効率化・自動化 | セキュリティ管理 |
対象者 | 主に来訪者(外部のお客様・取引先など) | 主に社員・関係者(社内メンバー) |
運用方法 | ・受付スペースに設置 ・来訪手続きを案内・処理 | ・ドアやゲートに設置 ・物理的な入退を制御 |
主な目的の違い | 来訪者の「受付手続きを効率化・省人化」する | 社員や関係者の「入退室を制限・監視」する |
受付システムは「玄関でのおもてなし」、入退室管理システムは「出入り口の守り」と捉えると分かりやすいでしょう。入退室管理システムについて詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
関連記事>>おすすめの入退室管理システムを比較!選び方や活用例も解説
受付システムの利用シーンは?
受付システムは、会社の規模によって活用方法がさまざまです。ここでは、受付システムの具体的な利用シーンについて解説します。
受付システム導入時のイメージがつきやすくなります。ぜひ参考にしてください。
従業員数が少ない小規模企業のケース
小規模企業では、従業員一人ひとりの業務負担が大きいため、毎日の時間管理がとても大切です。突発的な来客対応は、業務の遅延を生む要因となりかねません。
特に事前の連絡がない飛び込み営業などは、自社のニーズに合致しない場合も多く、貴重な時間を浪費してしまうことがあります。このような状況の打開策として、受付システムの導入が有効です。
来訪者が受付で目的や企業情報を入力することで、従業員は訪問前に対応の必要性を判断できます。そのため従業員は、本来の業務に集中できる時間を確保できます。
受付システムは、小規模企業が抱える時間管理の課題を改善するのに役立つでしょう。
従業員が多い大規模企業のケース
多くの来訪者を迎える大手企業では、受付業務の効率化が顧客満足度向上と従業員の生産性維持に欠かせません。受付システムの導入で、スムーズな来訪者対応と受付担当者の負担軽減を両立できます。
特に採用試験や入社式など大規模イベント時には、QRコード受付の活用で少人数でも効率的な案内が可能です。さらに来訪者情報をシステムで管理できるため、次回以降の対応もスムーズに行えます。
大手企業では、社内の業務効率化と来訪者への迅速な対応を両立し、人件費の削減が期待できる存在として受付システムが役立っています。
衛生管理が求められる食品工場のケース
食品工場では、従業員と来訪者を明確に区別し、食の安全を守るために受付システムが活用されています。
異物混入を防止する取り組みは「フードディフェンス」と呼ばれ、従業員以外の出入りも大きなリスクとなるため、衛生管理の徹底が求められます。
受付システムの導入で、来訪者の事前把握や入場制限が可能となり、衛生的な環境を維持できるでしょう。さらに、万が一トラブルが発生した場合も、来訪履歴をもとに迅速な原因究明が行える点も大きなメリットです。
受付システムは、食品工場における厳格な衛生管理体制を構築し、食の安全を守る上で重要な役割を果たすツールとなるでしょう。
受付システムのタイプ

会社の方針や課題によって、選ぶべき受付システムは異なります。ここでは、受付システムの4つのタイプについて解説します。
自社の課題と照らし合わせながらご覧ください。
【手軽で標準的】タブレット受付システム
最も手軽に導入でき、標準的な機能と使いやすさを持つのが、タブレット型の受付システムです。 市販のタブレット端末(例えばiPadなど) を利用できるタイプが多く、新たに高価な専用機器を購入する必要がない場合もあります。
多くの場合、専用アプリをインストールするだけで利用を開始でき、 すでに社内に対応するタブレットがあれば、初期費用を抑えて導入できる点も大きな魅力です。
来訪者は、タブレットの画面案内に従って操作するだけで、担当者をスムーズに呼び出すことができます。
基本的な来客通知はもちろん、ビジネスチャット連携、カレンダー連携、QRコード受付といった受付業務に必要な標準機能も充実しており、 シンプルながら効率的な受付環境を構築できます。
タブレット型受付システムは、導入の手軽さと十分な機能を両立し、 コストを抑えながら受付業務の効率化を実現したい企業におすすめです。
【他業務の効率化も】カスタマイズや連携ができる受付システム
カスタマイズ性や他システムとの連携性に優れた受付システムは、受付業務以外の効率化にも役立つでしょう。
たとえば、多言語対応機能の追加で、外国語対応のために受付業務を担当していた語学スキルを持つ社員を、他の重要業務に配置転換できます。また、下記のような使い方も可能です。
- カレンダーアプリと連携
→来訪者管理 - スマートロックと連携
→セキュリティ対策 - 検温システムと連携
→健康管理
カスタマイズ性の高い受付システムは、業務全体の最適化を目指したい企業におすすめです。
【大規模施設に】QRコードなどを用いた高セキュリティ受付システム
多くの企業が入るオフィスビルや、人の出入りが多い工場では、来訪者管理とセキュリティ強化が不可欠です。
QRコードを活用した受付システムを導入すれば、事前登録によるスムーズな受付対応と入退館履歴の自動管理が可能です。
非接触対応により感染症リスクを抑えられるほか、スマートロックとの連携で許可された来訪者のみが入館できる仕組みも構築できます。災害時の在館者確認にも活用でき、安心・安全な施設運営が目指せるでしょう。
【まるで対人受付】ロボットやAIを活用する受付システム
近年、ロボット型やAI搭載型の受付システムが多く登場しています。通常の受付システムは、効率的な反面、無機質な印象を与えがちです。
しかしキャラクターロボット型を導入すれば、業務効率を維持しつつ来訪者に親しみやすい印象を与えられるでしょう。
またAI機能搭載型では、来訪者からの質問に柔軟に応対できます。ChatGPTなどの学習機能により、案内精度を継続的に向上させられる点も魅力のひとつです。
ロボット型やAI搭載型は、対人受付と同等の精度を誇るものも多く、企業のイメージアップを目指したい場合におすすめです。
受付システムの主な機能
受付システムに搭載されている主な機能について解説します。
これまで人が行っていた業務を自動化できるため、業務効率を飛躍的に向上できるでしょう。
無人での来訪者受付・通知機能
受付・通知機能は、来訪者の受付や取次ぎ業務を自動化できる機能です。来訪者がタブレット端末などで会社や担当者を選択すると、SMSやチャットツール、メールで担当者に通知されます。
内線による対応などが不要になるため、受付担当者の業務負担を軽減できるでしょう。また、来訪者専用のQRコードを発行できるシステムでは、セキュリティを強化しつつ、入退館履歴の管理も自動化できます。
受付・通知機能は、受付業務の効率化だけでなく、オフィス全体の管理体制の向上も目指せるでしょう。
来訪者の事前アポイントメント機能
事前アポイントメント機能は、来訪予定の管理や日程調整をスムーズに行うための機能です。会議室を自動的に予約したり、当日のスケジュールを前もってメールで送信したりできるため、アポイントメント管理が大幅に効率化されます。
また、来訪者自身がオンラインで予約を行えるシステムもあり、企業側の負担も軽減できます。アポイントメント情報と受付システムが連携すれば、来訪時の受付もスムーズになり、担当者への迅速な通知も可能です。
これにより、来訪者の待ち時間短縮と、よりスマートな応対が実現します。
来訪者情報の一元管理機能
来訪者情報の一元管理機能では、来訪者の詳細情報をシステム上で管理できます。来訪者に関する情報を社内で共有することで、一貫性のある対応が実現するでしょう。たとえば、下記のような来訪者の情報を一元管理できます。
- 来訪目的
- 面会担当者
- 訪問頻度
- 滞在時間
- 話し合いの内容
過去のメールを見返して来訪者の情報を確認する必要もなくなるため、業務の効率化にもなるでしょう。来訪者情報の一元管理は、単に情報を管理するだけではなく、来訪者への対応力を向上させるためにも生かせる機能です。
まとめ:受付システムは自社の課題とニーズに合わせて比較しよう
受付システムは、煩雑になりがちな受付業務を自動化することで、社員がより重要な業務に注力できる環境づくりができます。担当者との面会がスムーズになり、待ち時間も短縮化されるため、企業の印象向上にも繋がるでしょう。
ただ、自社の課題やニーズに見合わないシステムを選択すると、期待した効果が得られないだけでなく、予算超過のリスクも生じます。
受付システムを導入する際は、自社と来訪者双方のニーズを十分に考慮し、必要な機能を見極めながら、比較検討をしていきましょう。