【2025年6月】保育園・幼稚園ICTシステムおすすめ3選!比較ポイントや導入メリットも解説

日々の業務に追われ、保育者の時間的負担が課題となっている保育園・幼稚園も多いのではないでしょうか。このような課題を解決し、保育の質を高められるのが保育園・幼稚園ICTシステムです。
本記事では、おすすめの保育園・幼稚園ICTシステムを3社紹介しつつ、導入時の比較ポイントについて解説します。
システム導入に利用できる補助金や導入メリットについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
保育園・幼稚園ICTシステムおすすめ3選を比較

おすすめの保育園・幼稚園ICTシステムを3つ紹介します。
おすすめの保育園・幼稚園ICTシステム | 特徴 |
---|---|
コドモン | 業界No.1の導入実績 |
はいチーズ!システム | 完全無料で利用可能 |
ルクミー | 最先端技術を活用 |
それぞれのシステムの特徴や強みを解説するので、導入時の参考にしてください。
コドモン
初期費用 | 0円 |
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月額費用 | 5,500円(税込)~ |
サービス内容 | ・保育現場の事務作業をデジタル化 ・保護者連携強化 |
実績 | ・キッズスマイル江東東砂 ・蓮美幼児学園とよすナーサリー ・中野市子ども部保育課施設係 |
強み | ・業界No.1の導入実績 ・包括的で多岐にわたる機能 ・手厚いサポート体制と継続的な改善 |
運営会社 | 株式会社コドモン |
会社所在地 | 東京都品川区西五反田8丁目4-13 五反田JPビルディング10F |
コドモンは、業界No.1の導入実績を誇る最大手の保育園・幼稚園ICTシステムです。初期費用0円で導入がしやすく、47全都道府県の22,000以上の施設で利用されています。
多言語対応(日本語・英語・ポルトガル語)しているため、外国籍の保護者にも安心感を提供できます。保護者向けアプリには定評があり、連絡帳でのやり取りや出欠・登降園連絡、緊急時のお知らせ確認などが、アプリ一つでスムーズに行える点が魅力です。
システム導入に不安がある場合も、手厚いサポート体制があるため、安心して活用できるでしょう。
はいチーズ!システム
初期費用 | 0円 |
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月額費用 | 0円 ※「はいチーズ!フォト」との併用が条件 |
サービス内容 | ・保育現場の事務作業をデジタル化 ・写真販売と共有 |
実績 | ・キッズブレア株式会社 ・家庭的保育室こころ ・タムスわんぱく保育園船堀 |
強み | ・初期費用、月額費用0円で導入可能 ・写真の管理、共有、販売機能が充実 ・使いやすいインターフェイス |
運営会社 | 保育ICT株式会社 |
会社所在地 | 東京都千代田区紀尾井町1番3号 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー14F |
はいチーズ!システムは、初期費用・月額0円で導入できる点が魅力の保育園・幼稚園ICTシステムです。写真販売サービス「はいチーズ!フォト」の併用により、完全無料で利用できます。
写真管理や共有、販売機能が充実している点が強みで、使いやすいインターフェースも魅力です。他にも、登降園管理や健康管理、保護者連絡、勤怠管理など主要機能を網羅しており、利便性の高さに定評があります。
ルクミー
初期費用 | 要問合せ |
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月額費用 | 5,500円(税込)~ |
サービス内容 | ・保育現場の事務作業をデジタル化 ・保育AIの提供 |
実績 | ・葛飾区小菅保育園 ・菊池幼楽園 ・東広島市暁保育所 |
強み | ・先進技術を積極的に取り入れたソリューション ・安全管理と保育の質向上への特化 |
運営会社 | ユニファ株式会社 |
会社所在地 | 東京都千代田区永田町2-17-3 住友不動産永田町ビル1F |
ルクミーは、AIを活用した保育に力を入れている保育園・幼稚園ICTシステムです。
AI午睡(お昼寝)見守り機能では、園児の寝ている姿勢や体動をAIがリアルタイムで解析し、うつ伏せ寝などの危険な状態を検知すると、保育者にアラートで通知します。
他にも、写真や日誌から園児の成長を自動作成できる機能や、連絡帳やおたよりなどの文書作成をサポートすることも可能です。
また、データ連携により記録業務の負担軽減に繋がり、保育者の業務効率化にも貢献します。導入時のマニュアルや手厚いサポート体制も充実しているため、保育者が安心してシステムを活用できる点も強みです。
保育園・幼稚園ICTシステムを選ぶ際の7つのポイント
保育園・幼稚園ICTシステムを選ぶ際のポイントを7つ解説します。
導入後のスムーズな運用のためには、各システムの具体的な対応状況と、自園が本当に必要とする機能やサポートを明確にすることが重要です。ひとつずつ確認しましょう。
保育者や保護者にとって使い勝手が良いか
保育園・幼稚園ICTシステムの選定では、保育者や保護者にとって使い勝手が良いかが重要なポイントです。
多忙な保育者は複雑な操作で負担が増し、保護者はパソコンやスマートフォンの操作の慣れに個人差があるという背景があります。
そのため、システムは直感的でシンプルな操作性、分かりやすい画面、入力補助機能を備え、保育者の業務をスムーズにすることが求められます。
保護者にとっても、簡単にログインでき、知りたい情報へ迷わずたどり着けるような通知の分かりやすさが大切です。誰もが「使いやすい」と感じるシステムこそが、円滑な保育と保護者連携を促進し、導入効果を最大化できます。
機能の範囲は広いか
保育園・幼稚園ICTシステムの選定では、提供される機能の範囲が広いかを確認しましょう。園の多様な業務を効率化するとともに、今後の変化にも柔軟に対応できるシステムである必要があるためです。
単なる園管理や保護者とのコミュニケーションだけでなく、事務作業全般に活用できる包括的な機能があれば、より多くの業務で効率化が進みます。
また、機能の拡張性に優れたシステムを導入すると、将来的に幼稚園で預かり保育や延長保育といった新たなサービスを開始する際も、柔軟に対応することが可能です。
幅広い機能を持つシステムは、園の成長に合わせた長期的な活用を可能にし、導入効果を最大限に引き出せます。
アプリ機能が充実しているか
機能の範囲と合わせて確認したいのが、アプリ機能の充実度です。機能が充実しているシステムを導入すれば、幅広い業務の効率化や情報共有の迅速化に直結し、園と保護者双方の利便性向上につなげられます。
保育者にとっては、毎日の記録や管理業務をアプリで完結できる点が理想的です。保護者は、以下のようなことをスムーズに行えるかが重要となります。
- 欠席・遅刻の連絡
- 預かり保育申請
- 行事カレンダーの確認
- お知らせの確認
このようにアプリ機能が充実しているほど、日々の運用は快適となり、導入効果を実感できるでしょう。
スマホでも業務ができるか
スマホでの業務のしやすさは、保育園・幼稚園ICTシステム選定で欠かせない要素です。保育者の業務負担を大幅に軽減し、場所を選ばないリアルタイムな情報対応を可能にします。
システムがスマホ対応していれば、保育者はデスクでの作業を削減し、園庭や散歩中などの隙間時間を活用して、その場で情報入力や確認を行えます。
これにより、子どもと向き合う時間や保育準備に充てる時間が増加し、残業時間の削減にも繋げられるでしょう。スマホ対応は、保育士の働き方を大きく改善し、園全体の効率化と質の向上を推進します。
セキュリティ対策が万全であるか
保育園・幼稚園ICTシステムを選ぶ際は、システム自体のセキュリティ性能も確認しましょう。園児や保護者の機密性の高いデータを安全に管理し、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを避ける必要があるためです。
保育者・保護者ごとに閲覧・編集権限を設定できる機能があれば、情報漏洩のリスク防止に役立ちます。また、万が一に備え、データの自動バックアップや迅速な復旧対策が整っていると、システム障害や災害時も安心してデータ管理を継続できます。
厳重なセキュリティ対策は、園と保護者双方に信頼と安心感をもたらし、システム運用を支える基盤となるでしょう。
サポート体制は手厚いか
システム提供会社の手厚いサポートがあるかどうかも、保育園・幼稚園ICTシステム選定時の決め手となります。
システム導入から運用までをスムーズに行い、予期せぬトラブルの際も保育者が安心して利用するためには、継続的な支援が必要です。
導入時には、機器セットアップや園児情報登録、操作説明などきめ細やかな支援が不可欠です。導入後も、予期せぬトラブルへの迅速な対応や専用相談窓口、充実したFAQがあると安心感が高まります。
また、保育者のITスキルに合わせた研修やフォローアップがあるかも確認しておくと良いでしょう。手厚いサポートは、システムの定着と効果的な活用を促し、保育者の負担を軽減できます。
補助金の使用ができるか
保育園・幼稚園ICTシステムの導入において、補助金が使用できるかは重要なポイントです。特に小規模な園では、初期導入コストを軽減し、必要なICT化をよりスムーズに進められます。
補助金は、各自治体によって条件が異なるため、事前に自園が利用できる補助金の有無や、対象となるシステムを確認することが必要です。一例として、以下のような補助金が活用できます。
- 保育所等におけるICT化推進補助金
- 教育支援体制整備事業費交付金
補助金を活用することで、経済的な負担を軽減し、システム導入をスムーズに進められるでしょう。
補助金については、保育園・幼稚園ICTシステム導入の際に利用できる補助金をご覧ください。
保育園・幼稚園ICTシステム導入の費用相場

保育園・幼稚園ICTシステムの導入費用は、初期費用は無料~数万円程度、月額費用は5,000円~数万円程度が相場です。
これは、現在主流となっているクラウドサービス型の場合の目安であり、初期費用を抑えやすく管理負担が少ないため、多くの保育園で選ばれています。園内にサーバーを置くオンプレミス型もありますが、初期コストが高額なため、普及は進んでいません。
費用は導入する機能の範囲や保育園の規模、サポート体制などによって変動し、別途端末費用が必要な場合もあります。
自園に最適な導入費用を見積もるためには、必要な機能を明確にし、複数社の見積もり比較や補助金の活用が重要です。
保育園・幼稚園ICTシステム導入の際に利用できる補助金
保育園・幼稚園ICTシステム導入の際に利用できる補助金について解説します。
保育園・幼稚園におけるICT化補助金は、システム導入の経済的負担を軽減するために必要な支援策です。ぜひシステム導入時の参考にしてください。
保育所等におけるICT化推進補助金(こども家庭庁)
「保育所等におけるICT化推進補助金」は、こども家庭庁が所管するICT導入を支援する補助金です。
- 対象:保育園・認定こども園
- 補助金額:1園あたり数十万円から数百万円程度
保育者の業務負担軽減を目的としており、システム導入費用や端末購入費などが対象となります。補助金額は自治体により異なるため、事前の確認をしましょう。
教育支援体制整備事業費交付金(文部科学省)
「教育支援体制整備事業費交付金」は、文部科学省が所管する園向けの交付金です。
- 対象:幼稚園・認定こども園
- 補助額:1施設あたり最大100万円が目安
幼児教育の質向上に向けたICT化支援を目的としています。ただし、地方公共団体への交付金であるため、具体的な支援内容や補助金額は各自治体によって異なる点に注意が必要です。
働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)
「働き方改革推進支援助成金」は、厚生労働省が所管しており、企業の働き方改革を支援する補助金です。幼児教育にかかわる園も対象となります。
- 対象:保育園・幼稚園・認定こども園
- 補助金額:コースにより異なる
コースは主に以下の2つです。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース
労働時間短縮や年次有給休暇取得促進に向けた取り組み費用の一部を助成 - 働き方改革支援コース
離職率低下へ向けICT導入が有効と判断される取り組みに活用が可能
これらは、保育者の労働環境改善と働き方改革推進に欠かせない支援策です。具体的な要件については、最新情報を確認しましょう。
IT導入補助金(経済産業省)
「IT導入補助金」は、経済産業省が所管し、中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する補助金です。幼児教育に関わる園も申請ができます。
対象:保育園・幼稚園・認定こども園
自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウェアやサービスなど)の導入費用の一部を補助します。対象となるITツールや詳細な要件、補助金額については、最新情報を確認してください。
保育園・幼稚園ICTシステムとは

保育園・幼稚園ICTシステムとは、ICT(情報通信技術)を活用し、保育園や幼稚園の日々の業務を効率化するシステムのことです。別名「園務支援システム」とも呼ばれます。
システムの導入により、以下のような業務の一元管理が可能です。
- 登降園管理
- シフト管理
- 指導案の作成
- 園児情報の管理
これにより、事務作業の負担が大幅に軽減され、保育者が子どもと向き合う時間を増やし、保育の質向上に繋がります。
システムの導入は、保育現場へデジタル技術による仕事の進め方や組織の変革をもたらし、業務効率化を通して持続可能な保育環境の実現を後押しするでしょう。
保育園・幼稚園ICTシステムの導入率はどのくらい?
国内の大半の保育園・幼稚園では、すでにICTシステムが導入されています。
厚生労働省「保育施設等におけるICT導入状況等に関する調査研究事業報告書」の調査によると、保育園・幼稚園のICT化は全体で84.4%と非常に高く、すでに多くの施設でデジタル化が進んでいることが分かります。※1
この高い導入率の背景には、保育者の業務負担軽減という課題があります。
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」では、保育者の離職理由として「仕事量の多さ」や「労働時間の長さ」が上位に挙げられています。※2
ICTシステムは、これらの業務を効率化し、保育者が子どもと向き合う時間を確保するために必要な存在です。
このように、システムの導入は、保育園・幼稚園の運営を持続可能にし、保育者の働きがいを向上させる重要な手段となっています。
保育園・幼稚園ICTシステムに備わる3つの機能
保育園・幼稚園ICTシステムに備わっている機能について解説します。
ICTシステムの機能は、登降園や連絡の管理といった保育園・幼稚園の業務効率化から、保護者との密な連携、そして独自のサービス向上までを幅広く支えます。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
保育園・幼稚園の業務を効率化させる機能
業務の効率化において、保育園・幼稚園ICTシステムは多種多様な機能を備えています。日々の煩雑な事務作業をデジタル化し、保育者の負担軽減が可能です。
具体的には、登降園管理や園児情報のデジタル一元化、連絡帳・日誌・記録の作成支援などが挙げられます。
また、延長保育や預かり保育の複雑な請求・会計業務も、ICTシステムで自動化・省力化することで正確かつ迅速な処理が可能となり、各園の大きな負担軽減に繋がります。
結果として、保育者は本来の業務に集中でき、管理の精度も向上するでしょう。
保護者とのコミュニケーションを強化する機能
保護者との円滑なコミュニケーションを図る上で、保育園・幼稚園ICTシステムは多様な機能を備えています。タイムリーで確実な情報共有を通じて、保護者の安心感を高め、園との信頼関係を深められます。
たとえば、デジタル連絡帳や個別メッセージ機能で、きめ細やかな情報共有や相談が可能です。また、一斉連絡・緊急連絡を迅速かつ確実に配信できるため、保護者の不安を軽減できます。
加えて、緊急時には電話で直接保護者に連絡できるよう設計されている点も安心材料のひとつです。
円滑なコミュニケーション体制が整うことで、園と保護者間の連絡はよりスムーズになり、双方の負担も軽減されるでしょう。
保育園・幼稚園の独自サービスを向上させる機能
保育園・幼稚園ICTシステムは、園独自の価値や魅力を高めるための機能も提供しています。これは、保護者の多様なニーズに応え「選ばれる園」となるために必要な機能のひとつです。たとえば、以下のような機能で独自サービスの提供ができます。
- 成長記録やポートフォリオ機能
園児一人ひとりの発達をきめ細やかに可視化できる - 専門家との連携機能
小児科医、栄養士、心理士などからの専門的なアドバイスを保護者と共有できる - 外部サービス連携機能
習い事の送迎管理や外部学習プログラムの申し込みができる - アンケートや意見収集機能
保護者の「声」を運営に反映できる
上記のような独自サービスの提供を通じて、保護者へのアピール力を高め、「選ばれる園」としての集客に活用できます。
保育園・幼稚園ICTシステムを導入するメリット
保育園・幼稚園ICTシステムを導入するメリットについて解説します。
保育園・幼稚園のICT化は、園、保育者、保護者それぞれに多角的なメリットをもたらします。システム導入時の参考にしてください。
園にとってのメリット
園の経営基盤を固め、運営体制を強化する上で、保育園・幼稚園ICTシステムの導入は、大きなメリットをもたらします。保育園・幼稚園ICTシステムを導入することで、園にとって以下のようなメリットを享受できます。
- 保育者の定着率向上
- 業務の透明性向上
- データの安全な管理
具体的には、業務効率化による残業時間削減が保育者の定着率を高め、採用コストを削減します。また、情報共有の徹底は属人化を解消し、監査対応の効率化も期待できます。
加えて、データの厳重なセキュリティ管理とバックアップは、情報漏洩リスクを低減し、災害時でも安心してデータを保護することが可能です。結果として、園は経営安定を図りつつ、保育の質と信頼性を高められます。
保育者にとってのメリット
保育園・幼稚園ICTシステムの導入は、保育者にとって日々の業務負担を軽減し、働きがいを向上させる大きなメリットをもたらします。
これまで手作業で行っていた多くの事務業務が効率化され、保育者が子どもと向き合う時間をより多く確保できるようになるためです。
たとえば、登降園管理や連絡帳の作成、各種記録などがシステム上で効率化され、残業時間や持ち帰り業務の削減に繋がります。
保育者一人ひとりの身体的・精神的な負担が軽減され、情報共有もスムーズになるため、ストレスの減少も期待できます。
これらの効率化と負担軽減は、保育者が本来の「保育」に集中できる時間を増やすことにつながるため、やりがいを感じながら子どもたちとより深く向き合える環境を作り出すことが可能です。
保護者にとってのメリット
保育園・幼稚園ICTシステムの導入により、保護者に安心感と利便性をもたらします。子どもの園での安全や健康情報、そして園からの重要な情報をタイムリーかつ確実に受け取れます。
一例として、子どもの安全・健康情報(登降園、体温、午睡など)のリアルタイム共有が可能です。また、園での子どもの様子を写真・動画で具体的に伝えられ、園からの緊急連絡・重要事項も確実に伝達できます。
システムの活用により、保護者は園との信頼を深め、日々の育児における不安を軽減できるでしょう。
保育園・幼稚園ICTシステムを導入するデメリット
保育園・幼稚園ICTシステムを導入するデメリットについて解説します。
業務のICT化には、保育園・幼稚園の業務負担や保護者との連携に関わる、いくつかのデメリットも存在します。
これらのデメリットに必要な対策を講じることで、システム導入を成功に導けます。ひとつずつ確認しましょう。
スタッフへの研修時間が発生する
保育園・幼稚園ICTシステムを導入する際、スタッフへの研修時間が発生することを考慮しましょう。新しいシステムの操作習得には学習コストがかかり、業務が一時的に非効率になるおそれがあります。
たとえば導入初期には、通常業務と並行してマニュアル作成や説明会への参加が必要となるため、保育者の時間的・精神的負担が増えることも少なくありません。
特に、ITスキルに慣れていないスタッフがいる場合、研修が不十分だとシステム活用が進まないリスクも生じます。導入成功のためには、研修時間の確保と、計画的なサポート体制の構築が不可欠です。
不要な機能の追加で業務過多になる
保育園・幼稚園ICTシステムの導入では、機能の過剰な追加による業務過多に注意が必要です。
多機能なシステムは操作が複雑になりがちで、使わない機能に投資すると、予算の無駄遣いになるだけでなく、満足な業務効率化につながらないおそれがあります。
特に、自園に必要のない細かな管理機能を搭載したシステムを導入すると、保育者が操作習得や入力業務に時間を割かれ、業務負担が増える可能性が高いです。
導入の際は、自園が必要とする機能を厳選することがシステム活用の成功に繋がるでしょう。
園内ルールの見直しを検討する必要がある
既存の園内ルールを見直す手間が生じることも、保育園・幼稚園ICTシステム導入におけるデメリットのひとつです。既存のルールが導入したシステムの活用を妨げ、業務効率化を阻害する可能性があります。
たとえば、「業務中はスマホ禁止」といったルールは、保育者がシステムを活用してリアルタイムに情報入力を行う妨げになり、ルールの見直しが必要です。
従来の慣習にとらわれず、保育者の新しい役割や業務フローを明確に再定義することが重要となります。システム導入を機に、ルールと業務フローの見直しをすることで、ICT化の真価を発揮できるでしょう。
保護者に理解してもらえない場合がある
保育園・幼稚園ICTシステムの導入は、一部の保護者に理解してもらえない場合があります。主な理由は二つあり、一つはデジタルツールの操作への慣れの違い、もう一つは情報漏洩やプライバシー侵害への不安です。
デジタルツールの利用に慣れていない保護者の場合、アプリの利用を前提とした運用に抵抗感を抱くおそれがあります。
また、システム自体のセキュリティに不安が持ち、情報漏洩やプライバシー侵害につながることを懸念する人も少なくありません。
そのため、上記のような保護者にシステムの利用を納得してもらえるよう、入念な説明やサポートを行う必要があります。
保育園・幼稚園ICTシステムの導入を成功させる3つのポイント

保育園・幼稚園ICTシステムの導入を成功させるポイントについて解説します。
ICTシステムの導入を成功させるためには、多くの必要な取り組みが求められます。時間はかかりますが、一歩ずつ着実に進めていきましょう。
目的を明確化させる
保育園・幼稚園ICTシステムの導入を成功させるには、まず目的の明確化が重要です。解決したい課題や実現したい効果を具体的に特定し、数値目標を設定することで、導入後の評価基準が明確になります。
たとえば、以下のように目的を具現化しましょう。
- 保育者の残業時間を月〇時間削減
- 連絡帳作成時間を1日〇分短縮
また、「事務作業に費やす時間を20%削減」「保護者への連絡ミスをゼロにする」といった数値目標設定も有効です。
目的が明確であれば、最適なシステム選定や導入後の効果測定が容易になり、ICT化の成功に繋がります。
作業環境を整える
保育園・幼稚園ICTシステムの導入効果を最大限に引き出すためには、作業環境を整えることが不可欠です。
なぜなら、保育者がスムーズにシステムを活用し、業務の中断を防ぎ、データを安全に管理できるからです。
必要なデバイス(PC・タブレット)と安定した通信環境の確保はもちろん、充電環境や保管場所も整え、業務中の充電切れを防ぎましょう。
また、集中できる物理的な作業スペースや、データ紛失・盗難対策、アクセス制限といったセキュリティ対策の徹底も重要です。快適な作業環境は、保育者のシステム利用を促し、業務の効率性とデータの安全性を両立できます。
変革の意識を持つ
変革への意識なくして、保育園・幼稚園ICTシステムの導入を成功させることはできません。特に、園長や管理職が自ら率先して変化を受け入れ、保育者全体を巻き込む姿勢がなければ、システムの定着や真の効果は期待できないでしょう。
たとえば、リーダーが「業務の進め方をシステムに合わせて変える」「積極的に学ぶ」といった前向きな意識を示すことで、保育者全体の意識も変わり、新しい業務フローへの適応がスムーズに進みます。
変革の意識は、システム導入を単なるツール変更ではなく、持続可能な保育園・幼稚園へ導く鍵となります。
【まとめ】保育園・幼稚園ICTシステムの導入で子どもと向き合う時間を増やそう
保育園・幼稚園ICTシステムの導入は、園の業務を効率化し、保育者の時間的・精神的負担を軽減するツールのひとつです。システムの活用で、事務作業に費やす時間が減り、保育者が子どもたちとより深く向き合う時間を増やすことができます。
その結果、保育の質は向上し、保育者にはより大きなやりがいが生まれ、保護者にも確かな安心感が広がります。業務のICT化を通じて、子どもたちの笑顔あふれる保育園・幼稚園の未来を共に実現していきましょう。