電子カルテおすすめ3選を比較!【2025年3月】システムの選び方や種類を解説

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電子カルテおすすめを徹底比較

医院やクリニックではカルテを基に診察や会計、処方箋の提供などを行っています。そのため、カルテ周りの利便性を高めることで、院内全体の業務効率を向上させることが可能です。

そこで、カルテを電子化して効率的に情報の管理が可能な電子カルテが注目されています。しかし、「どの電子カルテを選べばいいか分からない」という人も多いでしょう。

当記事ではおすすめの電子カルテを紹介します。電子カルテを選ぶ際のポイントや、導入するメリット・デメリットなども解説しているので、当記事を読めば自社に合った電子カルテを選べるようになります。電子カルテの導入を検討している方はぜひご覧ください。

目次

電子カルテおすすめ3選を比較

おすすめの電子カルテを比較

電子カルテのおすすめを3つ紹介します。それぞれの製品の特徴をまとめると以下の通りです。

おすすめの電子カルテ特徴
CLINICSカルテ必要な機能を組み合わせて導入できる
CLIUSAIによる業務補助が特徴
Medicom-CKⅡ中小規模医院に必要な機能のみを搭載

それぞれ異なる強みを持つので、自院に合ったものを選択しましょう。

CLINICSカルテ

CLINICSカルテ
引用元:https://clinics-cloud.com/
料金プラン要問い合わせ
タイプクラウド型
導入実績ふじさわ脳とからだのクリニック
錦糸町内科ハートクリニック
黒崎医院など
機能受付管理
患者登録
スケジュール管理
薬剤情報検索など
電話番号03-4520-9820
会社所在地〒106-6113
東京都港区六本木6-10-1
六本木ヒルズ森タワー 13F

CLINICSカルテは必要な機能を組み合わせて導入できるクラウド型の電子カルテです。業務範囲で区分した以下のプロダクトが用意されており、自院に合ったものを選んで導入できます。

  • CLINICSカルテ
  • CLINICSオンライン診療
  • CLINICS予約
  • CLINICS問診

基本的な電子カルテの機能の他、オンライン診療機能や予約機能、Web問診機能などを選択的に導入できるため、機能に対して無駄な費用を支払う必要がありません。

CLINICSカルテだけでも患者情報や診療履歴、会計情報などの基本的な情報を一元管理することが可能な他、オプションでレセプトコンピューターとの連携機能や医療機器連携機能などを追加することもできます。

ISMSクラウドセキュリティ認証を取得しているため、セキュリティ面のリスクも低いです。自院に業務フローに合った機能のみを導入し、費用対効果を最大化したい医院におすすめの電子カルテとなっています。

CLIUS

CLIUS
引用元:https://clius.jp/
料金プラン初期費用:20万円~
月額利用料:12,000円~ / 月
タイプクラウド型
導入実績筒井医院
グレイス杉山クリニックSHIBUYA
医療法人幸和会 福田整形外科医院など
機能電子処方箋
AIオーダー推薦
Web問診
オンライン診察など
電話番号050-5526-1108
会社所在地〒151-0053
東京都渋谷区代々木2丁目2-1
小田急サザンタワー8階

CLIUSは独自のアルゴリズムを利用したAIを搭載しているクラウド型の電子カルテです。院の業務の大半をAIによって補助しているのが特徴で、簡単な思考で実施できるような業務が自動化されています。

特に特徴的なのがオーダー推薦機能です。オーダー推薦機能では、所見欄に記載された診療情報をもとに、AIが薬や治療法のオーダーを複数表示してくれます。

医師は表示されたオーダーの中から適切なものを選択するだけでカルテを作成できるので、診察業務を大幅に効率化することが可能です。最終的には医師の判断が介在するので、無責任なオーダーをしてしまうこともありません。

電子処方箋や予約機能など、診察業務以外を効率化するための機能も一通りそろっています。料金も初期費用こそかかりますが、月額費用は割安なので、長期的に利用しやすい電子カルテといえるでしょう。

Medicom-CKⅡ

Medicom-CKⅡ
引用元:https://www.phchd.com/jp/medicom/hospitals/mcck2
料金プラン要問い合わせ
タイプクラウド型
導入実績松尾内科病院
千手堂病院
児玉経堂病院など
機能患者情報の一括入力・閲覧機能
看護必要度の管理機能
ADL区分の集計・出力
受診前の情報管理など
電話番号
会社所在地〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-25-18
NBF渋谷ガーデンフロント14F​

Medicom-CKⅡは規模に合わせたさまざまな電子カルテを提供しているウィーメックス株式会社が開発した、中小規模病院向けのクラウド型電子カルテです。最大の特徴は直感的に利用できる操作性で、各データを入力する画面のUIを統一することにより、同じ感覚で情報入力が行えるようになっています。

また、機能も中小規模の病院やクリニックで重要度が高いものに厳選されており、業務フローへの影響が少ないため、運用で従業員に負担をかけることもありません。さらに、機能を厳選したことによって短期間での導入も可能になっており、導入を決めてからすぐに運用を開始できます。

ウィーメックス株式会社が開発する他のシステムとの連携も可能なため、特に同社のシステムを利用している医院は導入しやすい電子カルテです。

失敗しない電子カルテの11の選び方

失敗しない電子カルテの11の選び方

電子カルテを選ぶ際には、以下の点に注目しましょう。

特に自社の業務フローとの親和性については、事前に確認しておくことが重要です。それぞれ詳しく解説します。

自院に必要な機能が搭載されているか

まずは自院の業務に必要な機能が搭載されているか確認しましょう。カルテの作成時に行う必要がある業務は、医療機関の規模や診療科目などによって異なるため、電子カルテも使用される医院の規模や診療科目を想定して作られていることが多いです。

そのため、何も考えずに電子カルテを導入してしまうと、必要な機能が搭載されていないことも少なくありません。電子カルテを検討する際は、あらかじめ利用できる機能を確認し、自院での利用に適しているか確認しましょう。

自院の業務の特徴に適しているか

電子カルテの機能面については、自社の業務の特徴に適しているかも確認しましょう。電子カルテには基本的なカルテの作成補助機能の他、診断書や紹介状、処方箋などを自動で作成する機能が搭載されていることも多いです。

また、各種書類をテンプレートに沿って作成できるものや、カルテの検索項目が多いものなど、製品ごとに異なる強みがあります。

自院の業務フローの特徴に適した製品を導入できれば、電子カルテに合わせて業務フローを変更することもなく、円滑に導入・運用することが可能です。電子カルテを導入する際は、自院の業務フローに製品が適しているかも確認することをおすすめします。

地域医療のネットワークと連携できるか

電子カルテを導入する際は、地域医療のネットワークと連携が可能かも確認しましょう。近年は医療業界全体が生産性向上のため、地域ごとに患者のデータを集約し、情報共有する体制になりつつあります。

共有された患者の情報を活用すれば、今までの患者の病状や他の医院での診療歴などをすぐに把握できるので、確認の手間なく適切な診療を実施することが可能です。

しかし、上記のような情報を活用するためには、電子カルテに地域医療のネットワークと連携できる機能が搭載されていなければいけません。連携の有無で業務効率が大きく変わってくるので、電子カルテを導入する際は、地域医療のネットワークと連携できるか確認しておきましょう。

他のシステムと連携できるか

地域医療のネットワークだけでなく、自院の既存のシステムと連携できるかも、電子カルテを選ぶ際に確認しておきたいポイントです。電子カルテの中には、医療機関で利用される他のシステムと連携できるものも存在します。

他のシステムと連携できる電子カルテを利用すれば、カルテが更新された際に他のシステムにもシームレスに反映させることが可能です。

特にレセプトコンピューターやオーダリングシステムなどと連携できるものを選択すれば、受付から診療、会計までスムーズなデータ共有が可能になるため、一連の業務を効率化できます。電子カルテを選ぶ際は、自院のシステムとの連携できるか、あらかじめ確認しておきましょう。

自院のデバイスのOSに対応しているか

電子カルテを導入する際には、動作環境も確認しましょう。特に注意が必要なのがOSです。電子カルテによっては対応しているOSが限られており、特定のデバイスでしか利用できないことも少なくありません。

特にタブレットでの運用も考えている場合は、Androidで利用できない電子カルテを選んでしまうと。端末の自由度が大きく制限されてしまいます。電子カルテを検討する際は各製品の動作環境を確認し、自院のデバイスで利用できるのか確認しておくことが重要です。

誰でも操作しやすいか

システムの操作性も電子カルテを検討する際の重要なポイントです。操作が複雑な製品を導入してしまうと、利用者が操作に慣れるまで時間がかかり、一時的に業務効率が著しく低下してしまう恐れがあります。

特に電子カルテは導入によって影響を受ける範囲が広いので、院内全体の業務が遅延してしまいかねません。電子カルテを導入する際は操作感を確認し、可能な限り直感的に操作できるものを選びましょう。無料トライアルを実施している製品であれば、実際に操作感を確かめてから導入を検討できます。

予算内で導入できるか

電子カルテを導入する際は、予算内で導入できるかも確認しましょう。電子カルテを利用するためには、導入時の初期費用の他、月額費用が発生することが多いです。クラウド型の場合は初期費用は割安で、中には無料で利用できるものもあります。ただし、月額費用が割高になる傾向にあります。

一方、自院にサーバーを設置することになるオンプレミス型の場合は、サーバーの導入費用が発生するため、初期費用が高額になります。対して、月額費用についてはサーバーの保守・管理費用で済むことが多いため、クラウド型よりも割安になるのが一般的です。

加えて、機能の豊富さや接続できる端末数などによって、料金が変動する傾向があります。キャッシュフローによって最適な料金体系は異なるので、自院に合ったものを選ぶようにしましょう。

費用対効果の高いシステムか

電子カルテの費用を確認する際は、費用対効果についても検討することをおすすめします。製品によっては、利用できる機能や業務効率への影響と利用料が釣り合っていないことも少なくありません。

特にシステムのアップデートやサーバーのメンテナンス料が月額料金に含まれていない場合は、想定よりも料金が高額になり、費用対効果が落ちることが多いです。

一方で、機能面や保守・管理の面で見ると料金が割高な製品でも、サポート体制の充実によって費用対効果を生み出しているような製品もあります。

電子カルテを選ぶ際は、あくまで自院が必要としている機能やサポートに着目し、必要ないサービスによって費用対効果が悪くなっていないか確認しましょう。

サポート体制が整っているか

電子カルテを導入する際には、サポート体制の充実度も確認しておきましょう。電子カルテの導入時には、既存のカルテに記載された情報の入力をはじめとした初期設定が必要になります。しかし、最初のうちはシステムの操作にも慣れていないため、初期設定に時間がかかることも少なくありません。

サポート体制が充実している製品を選べば、初期設定における不明点を逐一確認できます。また、運用時にトラブルがあった際にも迅速な対応が期待できるので、業務への影響を最低限に留めることが可能です。

セキュリティ対策に力を入れているか

セキュリティ面での安全性も、電子カルテを選ぶ際のポイントです。電子カルテでは患者の個人情報を扱うため、情報漏洩への対策は万全を期す必要があります。

特に低コストでの導入が可能なクラウド型の電子カルテの場合、インターネットに接続する都合上、ウイルス感染や情報漏洩のリスクが高いです。

電子カルテを検討する際は、システムに実施されているセキュリティ対策をあらかじめ確認しておきましょう。ISMS認証やプライバシーマークなどのセキュリティに関する企画を取得している製品であれば、ある程度安心して利用することが可能です。

アップデートやカスタマイズの範囲が広いか

電子カルテを選ぶ際は、アップデートやカスタマイズの範囲についても確認しましょう。電子カルテは医療環境の変化や法改正などに合わせて、定期的にアップデートしていく必要があります。

また、自院の事業規模や業務フローの変化に応じて、カスタマイズが必要になることも少なくありません。そのため、アップデートやカスタマイズの範囲が狭い製品を導入してしまうと、短期で買い替えが必要になる可能性があります。

電子カルテを検討する際は、あらかじめアップデートやカスタマイズの範囲を確認し、長期的に利用できるものを選ぶようにしましょう。

電子カルテとは?

電子カルテとは?

電子カルテとは、病院やクリニックで利用されているカルテを電子データで一元管理し、PCやタブレットなどの端末で操作できるようにしたシステムのことです。

従来の紙のカルテでは、保管のためのコストがかかる他、カルテを構成する要素をそれぞれ別のシステムで記録しなければいけません。電子カルテではそれぞれの要素を記録するためのシステムを連携し、1つのシステム上で管理することが可能です。

また、カルテを持ってきて診察内容を書き込み、再度保管場所に戻す手間がなくなる他、オーダーのテンプレート機能などを搭載されているため、業務を効率化できます。加えて、他の医療機関にかかっていた患者のデータを地域全体で共有できるため、患者に最適な治療法を提案することが可能です。

電子カルテの2つの種類

電子カルテの2つの種類

電子カルテは大きく分けて以下の2種類に分類できます。

  • クラウド型
  • オンプレミス型

それぞれコスト面やカスタマイズ性、更新性などに違いがあるため、あらかじめ把握して自社に合っている形式の電子カルテを導入することが重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウド型

クラウド型は提供会社が保有しているクラウドサーバーを利用するタイプの電子カルテです。院内にサーバーを設置する必要がないため、導入コストが低く抑えられている場合が多く、サーバーの保守・管理を行う必要もありません。

また、インターネットでクラウドサーバーに接続して利用する性質上、端末が縛られず、院外でも利用可能なのもメリットです。さらに、病院やクリニックが災害などにあってサーバーが利用できなくなるリスクにも備えらえます。

一方で、インターネットへの接続が不可欠になるため、安定して利用するためには通信環境の見直しが必要になることも多いです。また、カスタマイズ性についてはオンプレミス型に劣ります。

オンプレミス型

オンプレミス型は院内に設置したサーバーでシステムを構築するタイプの電子カルテです。サーバーに直接接続してシステムを利用することになるため、インターネットへの接続が必要なく、環境によらず安定して利用できます。

加えて、インターネット経由でのウイルス感染や情報漏洩のリスクが少ないこともメリットです。また、カスタマイズ性が高く、院内の業務フローに合わせて機能や操作性を調整できます。

一方、サーバーの導入が必要になるため、導入コストが高額になることが多いです。さらに院内にサーバーの設置場所を用意しなければいけません。サーバーの保守・管理コストもかかるため、人的コストも大きくなりがちです。

また、病院やクリニックが災害にあった場合、サーバーが壊れて利用できなくなるリスクもあります。以上のことから、オンプレミス型は資金が潤沢で、かつ業務フローが複雑なことが多い大病院で利用されることが多いです。

電子カルテを利用する4つのメリット

電子カルテを利用する4つのメリット

電子カルテを利用すると、以下のようなメリットがあります。

特にペーパーレス化とヒューマンエラーの防止は、院内の業務を効率化する上で大きなメリットになるでしょう。それぞれ詳しく解説します。

カルテに関する業務を効率化できる

電子カルテを導入すれば、カルテに関する業務を効率化することが可能です。診療時には患者の病状や治療の進捗、薬に対する適合性など、さまざまな情報をカルテに書き込むことになります。

まら、カルテの情報をもとにして処方箋や紹介状、会計情報の作成を行うため、カルテに迅速かつ正確に情報を記載することは、院内の業務効率化において重要度が高いです。

電子カルテを利用すれば、PCやタブレットから必要な情報をフォーマットに沿って入力できるようになるため、だれでも見やすいカルテを迅速に作成できます。

さらに、他のシステムを経由せず、システム上で直接処方箋や紹介状、会計情報を作成できるため、診療業務全般の業務効率化が可能です。

最新情報をリアルタイムで確認できる

最新情報をリアルタイムで確認できることも、電子カルテのメリットです。カルテを閲覧するのは医師だけではありません。設備内での治療を準備する看護師や、処方箋を用意する薬剤師など、複数の医療従事者が1つのカルテを閲覧することになります。

電子カルテを導入すれば、1つのカルテの情報を場所を問わず確認できます。情報もリアルタイムで更新されるため、それぞれの医療従事者が診療が終わったタイミングで業務を始めることが可能です。結果的に医院全体の業務効率が向上し、患者を待たせることもなくなります。

ヒューマンエラーを避けやすい

ヒューマンエラーを防止できるのも、電子カルテを導入するメリットです。

電子カルテでは情報を1つのシステム上で管理するため、転記によるミスが発生することがありません。また、入力漏れや入力内容に異常がある場合にアラートで通知してくれる製品もあるため、当該製品を利用すれば入力時の人的ミスも予防できます。

医療機関でのミスは患者の健康に甚大な被害を与えかねません。院内でのヒューマンエラーを可能な限り排除することは、患者を守るために特に重要になります。電子カルテを導入すればヒューマンエラーを広範囲で予防できるため、より健全な医院経営が可能です。

ペーパーレス化でコストカットができる

電子カルテの導入による最も大きなメリットといえるのが、カルテのペーパーレス化を実現できることです。医療機関特有の資料であるカルテですが、患者の数だけ用意する必要があるため、1つの医院でも膨大な量を扱うことになります。

そのため、従来の紙のカルテの場合だと、保管場所に困ることも少なくありません。また、院内の業務の多くはカルテに記載された情報をもとにして行われるため、診察のたびにカルテを保管場所から出し、診察後は再度保管場所でファイリングする必要があります。

電子カルテを利用すれば、システム上でカルテに記載するような情報を管理できるため、紙のカルテが必要なくなります。結果的に保管場所にかかるコストを削減できる上、ファイリングの手間もなくなるため、業務を大幅に効率化することが可能です。

電子カルテを利用する4つのデメリット

電子カルテを利用する4つのデメリット

電子カルテを利用するデメリットは以下の通りです。

特に停電時などにシステムが停止する点は、紙のカルテにはないデメリットです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

システムの設計と自院の業務内容がマッチしない場合がある

まず、医院の業務フローによっては、導入する電子カルテのシステム設計が適合しない可能性があります。特にUIによっては既存の業務フローには適さないことも多く、電子カルテを導入することが業務効率に悪影響を及ぼすことも少なくありません。

そのため、電子カルテを導入する際には、あらかじめ機能や操作感を確認し、自社の業務フローに合っているか確認することが重要です。特に検討している製品が無料トライアルを実施している場合は、導入前に一度利用しておきましょう。

システムに慣れるまでに時間がかかる

続いてのデメリットは、電子カルテのシステムに慣れるまでに時間がかかることです。自社の業務フローに合った電子カルテを導入することで、最終的には業務を効率化できる可能性が高いですが、導入直後にシステムの操作に慣れていないため、かえって業務効率が落ちるおそれがあります。

上記は業務システムを導入する際のデメリットとして挙げられることが多いものです。しかし、電子カルテの場合は利用する従業員が多く、影響する業務範囲も広いため、導入直後は院内全体の業務効率が落ちかねません。

電子カルテを導入する際は、提供会社のサポートも活用しつつ、十分な研修を受けた上で実際の導入作業を行いましょう。

停電時にシステムが使えなくなる

電子カルテを導入する上で最大のデメリットといえるのが、停電時にシステムが使えなくなるおそれがあることです。院内の業務は人命に関わることも少なくありません。万が一停電によってカルテを確認できなくなると、適切な診療が行えず、患者の健康に甚大な被害を与えてしまう可能性があります。

特に電子カルテの運用に合わせて紙のカルテを廃止していた場合は、診療が行えず大きな問題になりかねません。電子カルテを導入する際は、無停電電源装置の導入やローカルでのデータのバックアップを実施し、停電時でもカルテを確認できる体制を整えておきましょう。

セキュリティリスクの影響を受けやすい

クラウド型の電子カルテを導入する際は、セキュリティ面のリスクについてもあらかじめ把握しておきましょう。クラウド型のサービスを利用する際にはインターネットに接続する必要があるため、ウイルス感染や情報流出のリスクがあります。

特に電子カルテでは患者の個人情報を扱うため、情報流出の流出が大きな問題になりかねません。そのため、電子カルテを導入する際は、製品自体のセキュリティが強固か確認し、院内でもセキュリティ対策を講じることが重要です。

電子カルテの導入にかかる費用相場

電子カルテの導入にかかる費用相場

電子カルテの導入にかかる費用相場は以下の通りです。

電子カルテのタイプ費用相場
クラウド型の電子カルテ初期費用:無料〜20万円程度
月額費用:1万円〜5万円程度
オンプレミス型の電子カルテ初期費用:300万円〜500万円
月額費用:2万円〜3万円程度

上記の費用以外にも、レセプトコンピューターへの連携費用や関連機器の設置費用が別途必要になる場合もあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウド型の電子カルテの場合

クラウド型の電子カルテの場合、費用相場は以下の通りです。

  • 初期費用:無料〜20万円程度
  • 月額費用:1万円〜5万円程度

まず、初期費用については無料の製品もありますが、有料の場合は最大で20万円程度かかることが多いです。加えて、月額利用料として1万円〜5万円程度かかります。

上記の他、レセプトコンピューターとの連携や初期設定の代行を依頼する場合は、追加で費用が発生することが多いです。また、製品によっては有料でスタッフの研修を実施してくれることもあります。

オンプレミス型の電子カルテの場合

オンプレミス型の電子カルテの場合、費用相場は以下の通りです。

  • 初期費用:300万円〜500万円程度
  • 保守費用:月額2万円〜3万円程度

先述の通り、オンプレミス型はサーバーの導入が必要になるため、初期費用が高額になりがちです。一方で、月額費用についてはサーバーの保守・管理がメインとなるため、クラウド型よりも割安になります。

なお、製品によっては初期費用とサーバーの設置費用が分かれていることもあるので注意が必要です。見積もりを依頼する際は、費用の内訳についても良く確認しておきましょう。

電子カルテの比較に関するよくある質問

電子カルテの比較に関するよくある質問

電子カルテの比較に関するよくある質問をまとめました。実際に電子カルテを検討する前に、あらかじめ確認しておきましょう。

電子カルテのシェア率のランキングは?

医療専門サイトのエムスリーが実施する「2024年版クリニック向け電子カルテ実態調査」※によると、電子カルテのシェアランキングは以下のようになっています。

順位製品名メーカー名
1位M3 Digikarエムスリーデジカル株式会社
2位Medicom-HRシリーズウィーメックス株式会社
3位HOPE Cloud Chart
HOPE LifeMark-MX
富士通Japan株式会社
同率4位CLIUS株式会社DONUTS
同率4位CLINICS株式会社メドレー
参照元

【2024年版】クリニック向け電子カルテ購入シェアランキング

電子カルテのおすすめのメーカーは?

当記事でおすすめの電子カルテメーカーは以下の通りです。

  • 株式会社メドレー
  • 株式会社DONUTS
  • ウィーメックス株式会社

それぞれのおすすめ製品については記事の冒頭で解説しているので、確認して自社に合っているか検討してみてください。

電子カルテは義務化されているの?

電子カルテは2025年2月時点では義務化されていません。

しかし、政府は2030年までに医療機関のDX化を完了させる政策を実施しており、電子カルテの導入も政策に盛り込まれています。※

そのため、今後電子カルテの導入が義務化される可能性は高いといえるでしょう。

参照元

医療DXについて

「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム

【まとめ】自院の業務内容に適した電子カルテを選ぼう

電子カルテのおすすめや選び方、導入するメリット・デメリットなどについて解説してきました。

電子カルテを選ぶ際には、まず自院の業務に必要な機能が搭載されているか確認しましょう。加えて、地域医療のネットワークと連携できるものを選定すれば、患者の病状や他の医院での診療歴などを確認する手間を削減しつつ、適切な診療を行えます。

また、電子カルテを導入する際は、システムに慣れるまで業務効率が落ちるおそれがあることを把握しておきましょう。また、紙のカルテと違い、停電時に使用できなくなるため、非常電源やローカルでのデータバックアップなどの対策をしておくことが重要です。

当記事を参考に、ぜひ自社に合った電子カルテを探してみてください。

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